エンジュ
(マメ科クララ属:落葉性高木:樹高 〜20メートル:花期 〜8月)
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薬効 |
吐血・喀血(かっけつ) |
痔 |
鼻血(はなぢ) |
歯ぐきの炎症 |
子宮出血 |
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分布生育場所 |
科名:マメ科/属名:クララ属
和名:槐/学名:Sophora japonica
中国原産、日本全土の街路樹に利用。家庭庭園にも植えられています。
マメ科クララ属のクララ
エンジュの花、エンジュの果実
(←拡大画像はクリックします)
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見分け方・特徴
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落葉性の高木で15〜20メートルくらいになります。幹は直立して分枝して、小枝は緑色です。
葉は奇数羽状複葉で互生し、小葉は10〜20対あって卵状長円形か卵状長皮針形で、長さは2.5〜5センチ、幅は1.5〜2.6センチで上面は濃緑色で下面は、やや白くなっています。
8月ころに枝先に複総状花序をつけ、白色の長さ1.5センチの豆形花を多数つけます。
果実は長さ2.5〜5センチの豆果で、くびれがあり、やや肉質の連珠状です。
種子は1〜6粒ずつ入っています。
エンジュに似た植物にイヌエンジュなどがあります、庭園や街路樹として植えられていますが、花が密につき、さやが扁長楕円形であることから区別されます。
また、イヌエンジュはルチンの原料には適しません。材の木目が美しいことから紫檀の代用に利用され、薬効は期待できません。
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採集と調整 |
開花直前のエンジュの花のつぼみを採取して日干しにします。これを生薬の槐花(かいか)または槐米(かいべい)といいます。また、葉を槐葉(かいよう)、果実を槐角(かいかく)、若い枝を槐枝(かいし)、根を槐根(かいこん)、幹および根からコルク層を取り除いた皮部を槐白皮(かいはくひ)、幹から出る樹脂を槐膠(かいこう)といいます。すべてが薬用になります。
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薬効・用い方 |
有効成分は、ルチンを約20%含み、クエルセチン、ベツリンなどを含む
おもに蕾(つぼみ)「槐花(かいか)」と果実「槐角(かいかく)」が用いられます。止血剤として、痔出血、子宮出血、腸出血、吐血、目の出血、鼻血などに、また、脳出血の予防にも槐花(かいか)や槐角(かいかく)を用います。
1回量として5〜10グラムに水0.2リットルを加えて煎じ、約半分の量にまで煮詰めて空腹時に服用します。また、痔の出血や痛み、かゆみには槐花(かいか)や槐葉(かいよう)を粉末にしてつけるか、煎じ汁で洗います。歯ぐきの出血、口内の出血には槐花(かいか)を炒って細かく砕き、粉末にしてこれを患部に擦り込みます。
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その他 |
エンジュは街路樹に利用されて土用の暑い盛りに花をつけ初めて、花後には枝豆のような実をつけます。
中国原産で日本には古くに薬木として入ってきました。いまでは、世界の各地で栽植されています。
エンジュ(和名)、槐(かい・中国名)で学名はソホラ・ヤポニカで、日本産のエンジュの意味が付いています。その当時はエンジュは日本原産と考えられていたようです。
槐花(かいか)はルチンの抽出原料として広く知られています。
ルチンとは血管の補強、毛細血管の強化作用があり、脳出血の予防などに用いられます。 |