クララ
(マメ科クララ属:多年草:草丈 〜150センチ:花期 〜7月)
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薬効 |
滋養強壮 |
下痢 |
小便不利 |
あせも |
水虫(みずむし) |
かいせん |
食欲不振
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殺虫剤 |
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分布生育場所 |
科名:マメ科/属名:クララ属
和名:苦参/久良良/別名:蛆殺(ごうじころし)/学名:Sophora flavescens
本州、四国、九州の野原、道端、河川敷などに普通に自生する多年草。
マメ科クララ属のエンジュ
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見分け方・特徴
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クララは、茎が1〜1.5メートルくらいになり、茎の下部は木質になる。
葉は、大型で奇数羽状複葉(うじょうふくよう)で、長さが20〜25センチ、小葉は7〜17対、小葉の長さ2〜4センチ、幅1センチくらいで、下面に微毛があります。
花は、初夏の6〜7月ころに多数の淡黄色か微紅色の蝶形花が総状花序(そうじょうかじょ)にびっしりとつきます。
花後には、キササゲに似た、細長い豆果をつけ、じゅず状にくびれて、種子が4〜5個つきます。
根は、直根でつむ状に肥大して塊根(かいこん)になります。
また、全草に残存性の苦味と異臭があります。
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採集と調整 |
クララは、地上部が枯れる秋に、塊根(かいこん)を掘り取り、ひげ根を取り除いて、主根だけをよく水洗いして、大きい塊根の場合には縦割りにして、天日ですみやかに乾燥させまが、初めから、刻んで乾燥さぜた方が早く乾燥します。
これを生薬(しょうやく)で、苦参(くじん)といいますが、塊根の外皮を、はいで乾燥させたものもあります。
この、苦参(くじん)とは、根の形態が人参(にんじん)に似ていて、苦味(にがみ)があるところから、苦参(くじん)と呼ばれています。
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薬効・用い方 |
苦参(くじん)は、苦味健胃(くみけんい)、強壮、消炎、利尿(りにょう)、下痢止め、鎮痛剤としてや赤痢などの細菌性下痢、血便、腫毒に効き目があり、内蔵を丈夫にして食欲を増進させる効果もありますが、作用の強いアルカロイドのマトリン、オキシマトリンなどを含み、虚弱体質者の場合には顕著な副作用が表れるので、素人の服用は避け医師の指示に従います。
苦参(くじん)6グラムに、水0.3リットルを加えて煎じ、その煎液を、水虫、あせも、かいせんの場合に塗布します。
かやみや炎症性のはれものなどには効き目があります。かいせんには、生の根の汁を塗ります。
クララの乾燥した茎葉(けいよう)300グラムに、約5リットルの水を加えて煎じたものは、農作物の害虫や牛馬など動物の皮膚寄生虫の駆除に効果があります。また、乾燥した茎葉を、適当に細かくして用いると、うじ虫の駆除になります。
注意:全草(茎葉)には、有毒のマトリン、オキシマトリンなどのアルカロイドを含みます。マトリンは、大脳を麻痺させて痙攣(けいれん)を起こし、呼吸運動神経麻痺で呼吸が止まり死に至りますので、絶対に服用してはいけません。
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その他 |
名前の由来は、根の汁をなめると、余りの苦さに、眼がクラクラすることから、眩草(くらみくさ)から転訛(てんか)して、クララの名になったという。
クララは、本州、四国、九州と朝鮮、中国など広く分布する多年草草本(そうほん)です。
また、俗名に、蛆殺(ごうじころし)などの呼び名もあります。
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