三焦虚(さんしょうきょ)とは、漢方医学で言う漿膜
漿膜 漿膜(しょうまく、serous membrane もしくは serosa)は、中皮である腹膜、胸膜、心膜などの内面や内臓器官の表面をおおう薄い半透明の膜。特に腹膜に対して用いられることが多い。 表面はなめらかで、漿液を分泌する細胞で構成されている。漿液によって臓器間の摩擦を軽減し、漿膜組織の細胞への栄養代謝を行っている。これらの漿膜が炎症を起こすと、漿膜が覆う各臓器は重篤な機能不全に陥る。 |
、リンパ系全般の機能低下によりおこる症状を言う。
概要
漢方医学では六腑のうち三焦は五行思想で言う火を司る機能を指し、六臓で言えば心包
心包心包(しんぽう)は、伝統中国医学における五臓六腑とは別格の臓器である。心主ともいう。心臓を包む膜または袋と解釈されているが、三焦と同じく実体のない臓器である。経絡は、手の厥陰心包経があるが、脈診においては心包の部位はなく(代わりに「命門」がある)、形だけでなく、その働きも定かではない。 一説には、心臓は五臓における君主に相当し、心臓は象徴
または傀儡
であり、その働きは宰相である心包が握っているとか、心臓は「神(しん)」を宿し、命に関わる最も大切な臓器であるから、それに直接手を下すと障りがあり、それ故に心臓の病は心包から攻めよなどといわれている。 鍼灸では、心包経やその兪穴である厥陰兪穴などを切経(せっけい、触診のこと)し、異常があれば関連した経穴に施術しているが、「心包の病気」として扱うことはほとん |
に相当するため三焦の機能の低下は(西欧医学では漿膜、リンパ系に相当する機能障害と思われる)血圧異常、鞭打ち後遺症、手や後頭部のしびれ、こめかみが痛む、腹膜の癒着、子宮内膜の変性、頚椎異常などがあらわれるとされる。漢方医学では
対処としては
鍼灸においては五行や東洋医学の治療方針の関係から五行では自経が虚すれば、その母を補うとされており、この場合、火の気である三焦が虚すれば木の気である母の胆を補えとされており、三焦経の中渚穴、胆経の足臨泣穴が用いられる。
三焦実(さんしょうじつ)とは、漢方医学で言う漿膜、リンパ系全般の機能亢進によりおこる症状を言う。
概要
漢方医学では六腑のうち三焦は五行思想で言う火を司る機能を指し、六臓で言えば心包に相当するため三焦の機能の亢進は(西欧医学では漿膜、リンパ系に相当する機能障害と思われる)口内炎、子宮内膜炎、湿疹などがあらわれるとされる。漢方医学では
対処としては
鍼灸においては五行や東洋医学の治療方針の関係から五行では自経が実すれば、その子を瀉すとされており、この場合、火の気である三焦が実すれば土の気である子の胃を瀉せとされており、三焦経の天井穴、胃経の足三里穴が用いられる。