オウレン (キンポウゲ科オウレン属:多年草:草丈 〜20センチ:花期 〜3月)
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薬効 |
健胃/整腸 |
下痢止め |
消化不良
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結膜炎/ただれ目 |
中風(漢方処方)
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分布生育場所 |
科名:キンポウゲ科/属名:オウレン属
和名:小芹葉黄連/生薬名:黄連/学名:Coptis japonica var.major
薬用として用いられるセリバオウレン
日本全土で広く栽培。富山、新潟、山形県の日本海側に自生するキクバオウレン
新潟県岩船近辺の黄花キクバオウレン、新潟市の黄花のキクバオウレン
葉が3回3出複葉のコセリバオウレン
バイカオウレン、新潟県・角田山/キクバオウレン
山形県月山のコシジオウレン(ミツバノバイカオウレン)、ミツバオウレン
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見分け方・特徴
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高山帯や北海道などに見られるミツバオウレンや温暖地のやや湿地に多いバイカオウレンは小型で根茎も発達せず、それに比べて根茎の発達がよく、太くなるオウレンは葉の形状からキクバオウレン、セリバオウレン、コセリバオウレンと区別します。
キクバオウレンは富山県、新潟県、山形県などの日本海側に自生します。
葉が細くなったセリバオウレンやコセリバオウレンはむしろ太平洋側に見られますが、一般にオウレンは冬期降雪地域に多いので、積雪により葉と花芽などが保護されていると思われます。
これはオウレンの栽培における貴重な指標になるものです。
オウレンの名は、複葉の葉の形により1回3出複葉のものをキクバオウレンに分類されています。
また、2回3出複葉のものをセリバオウレン。
さらに、3回3出複葉のものをコセリバオウレンに分類されています。
現在各地に栽培されるオウレンはタンバオウレン(丹波黄連)と呼ばれるセリバ型の種類で、丹波の国で育成された栽培種です。 |
採集と調整 |
秋から春の開花期に掘りとりますが、一般には秋にとることが多いようです。掘りとった根茎は細根を切り取ります。これは、細根には主成分であるベルベリンがわずかしか含まれていないからです。
細根を切り取った根茎をそのまま乾燥させますが、さらに残った細根を焼いて根茎だけにしたものを生薬の黄連(おうれん)といいます。むしろなどで、こげた細根の跡を磨いて取り除いたものをとくに磨黄連(みがきおうれん)といいます。漢方で用いるものはこのように調整したものですが、根茎は節状に珠が連なったようになっており、その断面が黄色をしているところから黄連の名があります。 |
薬効・用い方 |
健胃(けんい)、整腸薬として消化不良や下痢止めに用います。苦味が強いのは黄色物質のベルビリンによるもので、粉末や煎じ薬として用います。黄連の性として寒であるため、病態が冷えているような場合には用いられません。
粉末は一回量0.3〜0.5グラムを1日3回食前に服用し、煎じ薬とするには刻んだ根茎3〜5グラムに水0.5リットルを加えて煎じ、約半量まで煮詰めたものを三っつ分け、毎食前に服用します。
普通に黄連を煎じ薬とするときは、根茎だけでなく細根をつけたまま乾燥したものを使うこともあります |
その他 |
薬用植物で栽培される種類のうちオウレンは筆頭に入りますが、種をまいて収穫するまでに少なくとも5〜6年を要するため、栽培を行う人が少ないようですが、他の農作物などの栽培が困難で収穫が悪く生産性の少ない土地などではオウレンの栽培は好適と考えられます。種子は4〜5月頃に採取しますが、砂を混ぜて播種期(はしゅき)の晩秋まで土中に保存すると発芽率はよくなります。栽培種としては丹波系のものがよいでしょう。播種の翌年、苗床より掘り取り4〜5本を1株として本畑に植え込みます。
オウレンは日陰の植物で、直射日光が強い所では葉が日焼けするため、寒冷紗(かんれいしゃ)などで約50%に光量を制限する必要があります。また、晩秋には翌年の花芽の形成が進むので寒風や凍結にはとくに注意し、雪の降らない地方でも、籾殻や藁などで保温する必要があります。
黄連(おうれん)は中国産のシナオウレンの根茎をとり乾燥したものです。
オウレンの名前は古くはカクマグサを漢名の黄連(おうれん)と同一物としてあてました。それ以後カクマグサの名前は黄連(おうれん)に置きかえられてきたものです。
現在日本では、一般に黄連(おうれん)として用いられるものの大部分は日本産のオウレンの根茎が使用されていますが、シナオウレンにつけられた黄連(おうれん)とはことなっていて正しくは和黄連(わおうれん)と呼ぶべきです。薬用にする場合には中国産も日本産も相違がないことが知られています。 |