イタドリ (タデ科タデ属:多年草:草丈
〜150センチ:花期 〜10月)
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薬効 |
便秘 |
膀胱炎 |
膀胱結石、尿路結石 |
月経不順 |
ジンマ疹 |
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分布生育場所 |
科名:タデ科/属名:タデ属
和名:虎杖/別名:スイバ/スカンポ/生薬名:虎杖根(こじょうこん)/学名:Polygonum cuspidatum
日本全土の日当たりのよい丘陵、土手、路傍に自生
タデ科タデ属タデ(柳蓼)
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見分け方・特徴
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根茎は木質で長く地中をはい、節があって、ところどころに芽を出します。春先には竹の子状に若芽が伸び草丈が2メートル近くになります。
茎は円柱状、中空で若いうちは水分を多く含んで柔らかく、古くなると木質化します。葉は互生して柄があり、長さ10センチから、15センチの卵状楕円形で先が尖り、縁がわずかに波をうっています。
雌雄異株で、夏には枝端と葉のわきに総状花序をつけ、白色か紅色の小花をたくさんつけます。
本州北中部の山地や北海道には草丈2〜3メートルにも達するオオイタドリがあります。また、花の紅色のものをメイゲツソウとして区別し、高山などで矮小(わいしょう)したものをオノイタドリといいます。
新潟県では、茎や葉に毛状突起が密生する、ケイタドリが多く自生しています。
オオイタドリは、本州(北関東以北)、北海道の山地等に自生し、草丈2〜3メートル、葉の長さ30センチになりイタドリと同様の薬用として扱う |
採集と調整 |
秋から冬にかけて、地上部が枯れた頃に根茎を掘り採り、水洗いして長さ5センチから10センチに切り、風通しのよい所で、天日乾燥させます。
これが生薬の虎杖(こじょう)、虎杖根(こじょうこん)といいます。 |
薬効・用い方 |
有効成分は、オキシアントラキノン類のポリゴニンを含む(これは加水分解するとエモジン、エモジンメチルエーテルを生成する
漢方では、緩下薬、利尿薬、通径薬として常習便秘や老人の下痢、膀胱炎、膀胱結石、月経不順、閉経に用います。
民間では、鎮咳薬、鎮静薬、止血薬とします。膀胱炎、膀胱結石、便秘、黄疸、関節炎、リューマチ、月経不順などに、虎杖根(こじょうこん)を、1日量8〜10グラムに、水0.5リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、1日3回に分け、食間に服用します。
咳止めには、カンゾウを少量加えると良いとされます。
イタドリの果実15〜20グラムを0.2リットル水で煎じて、火傷、じんましんに冷湿布。
擦り傷などには、生の葉をよくもんで傷にすり込みます。
また、各種のガン治療に1日9〜30グラムを煎じて服用するとされますが、詳細は明らかではありません。
江戸時代には、体がかゆくなって、かくと出血するものを気奔(きはん)と呼んでいました。現代のジンマシンに相当すると考えられています。「和漢三才図会」では、この気奔を使った処方をあげています。
これは、虎杖(こじょう)、人参(オタネニンジン)、細辛(ウスバサイシンの根)、食塩各1.3グラムを1日量として煎用しています。
食べ方:若芽をつんで、茹でてから、よく水にさらします。酢味噌やゴマ和え、酢の物、汁の実、油いためなどにします。
生のままは、天ぷら、即席漬けなどに、また、そのまま塩をふり生食も結構いけます。
若いイタドリは、茎が柔らくて水分に富み、酸味があるので、食べますが食べ過ぎますと、下痢をひきおこすことになるので注意します。
地方によっては、採取したイタドリを小川の流れに1〜2日間つけておいてから、水気をとり塩漬けにして、冬場の山菜料理にします。 |
その他 |
イタドリの名前の由来は「痛取り(いたどり)」の意味で、痛みを取るからとされています。
擦り傷、切り傷などに、柔らかい若葉をもんで患部に塗布すると出血を止めて、痛みを和らげる作用があるとされますが、実際には小さな傷の出血を止める程度です。
古来中国では、「虎杖根(こじょうこん)」と言って、古くから火傷(やけど)の妙薬として用いられていました。
山野に大群生してジャングルを作る多年草ですが、戦時中はタバコの葉の代用として、タバコの原料に用いられました。 |