便秘

便通の回数には健康な人でも個人差があるものですが、一般には毎日あるいは1日おきに1回あるのが普通とされています。数日にわたって便通がなく、しかも硬い便を、ときには痛みを伴って排便し、便通がないと腹部が苦しい場合には便秘と考えられます。便秘には、疾患によるものや、先天的に腸管が狭かったり、長すぎたり、広かったりする体質によるもの、便通をがまんしたり、習慣や生活環境の変化による自律神経の異常など様々なものがありますが、その多くは、明らかな原因もなく慢性便秘をきたす常習性便秘と呼ばれるものです。

便秘があっても自覚症状がほとんどない人も多いのですが、一般に便秘があると、腹部が圧迫される感じ、満腹感、腹痛、吐き気、胃の不快感、疲労感などの症状があらわれ、ニキビやシミの原因になるだけでなく、婦人の生理や胃腸や肝臓などの内臓にも悪影響をおよぼすことも考えられますので、注意する必要があります。

漢方ではとくに実証と虚証に分けて投薬をします。実証は普通の下剤でよいが、虚証は同じ下剤では腹痛、渋りなどを起こし便は出ないので注意が必要です。

薬用植物名 採集時期 成分 薬効 用法説明
ハブ茶(エビスグサ)
種子(10月頃)
アントラキノン誘導体クリソファノール・フスチオン・オブツシフェリン
胃腸・便秘・高血圧・目の疲れ・更年期障害
@水はけのよい、あまり肥えていない土地に、4月から6月に幅60センチくらいにうすく直播(じかまき)するか、3〜4粒をまとめてまき、1センチくらいの土をかけます。1ヶ月後には中耕(ちゅうこう)して、肥料をまくA10月ころ種子を採取して日干しにする。B弱火で炒るC20グラムを1リットルの水で5〜10分煮だすDまたは、お茶のようにお湯を注いで飲用。
カミツレ 花(5〜6月)   消炎・鎮痛・強壮・美容 @5〜6月の花の中心の黄色が鮮やかになり、花の一番元気のあるときに採取。A日陰で乾燥。Bお茶のように熱湯を注いで5分くらいしてから1日3回食前に飲用。
クワ 葉・根皮(冬) フ°レニルフラホ゛ノイト゛・ヘ゛ンソ゛フラン誘導体 消炎・咳止め・利尿・ダイエット @根皮は、1日15〜20gを500mlの水で、1/2になるまで煎じて、3回に分けて服用。A葉は1日10〜20gを500mlの水で、1/2になるまで煎じて服用。Bお茶として飲用。
ゲンノショウコ 全草(7〜10月) タンニン・フラホ゛ノイト゛・芳香化合物 下痢・健胃整腸・利尿・強壮 @全草を採り、日陰で干す。A1日15〜20gを200mlの水で、1/2になるまでゆっくり煎じる。B3回に分け、食前に飲む。Cお茶として飲む場合は、10グラムを1日量として0.5リットルの水を10分煮出して3回に分けて、食前・食間に飲用。副作用がなくすぐれた健胃整腸剤。
シソ
葉(6〜7月)
抗ヒスタミン成分・シアジン・カロチン
アトピー・皮膚炎・ぜんそく・健胃・解毒
@アカジソの葉は6〜7月の開花前に採取A半日程度日干しB風通しの良い場所で陰干しC1日量5〜10グラムに水0.4リットルを加えて、半量まで煮出して飲用。Dお茶のようにお湯を注いで飲用。
シソの薬湯は、皮膚病・アトピー治療にも使用される。
ネズミモチ
果実(晩秋〜冬)

強心・利尿・緩下・強壮・強精・若白髪・月経困難
晩秋〜冬にかけて黒く熟した果実を採取して、水洗いして天日でよく乾燥します。果実50グラムと同量の砂糖とホワイトリカー1リットルで6ヶ月漬けこみます。その後こして1日3回20ミリリットルずつ飲用。
ヨモギ
茎葉(6〜7月)
クロロフィル・精油・タンニン
抗癌・肥満・婦人病・関節痛・アトピー・動脈硬化・老化防止
@十分成長して花の咲く前に新葉茎葉を採取A日陰で乾燥して細かくして保存B1日量5〜8グラムを水0.4リットルで半量まで煮詰めて食間に飲用Cまたは、1分ほど沸騰させて、ハチミツを入れて飲用。一般的には「もちぐさ」のこと。




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「便 秘」 (漢方薬)
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桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう) 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう) 潤腸湯(じゅんちょうとう) 小建中湯(しょうけんちゅうとう)
小承気湯(しょうじょうきとう) 大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう) 大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう) 大建中湯(だいけんちゅうとう)
大承気湯(だいじょうきとう) 桃核承気湯(とうがくじょうきとう) 人参養栄湯(にんじんようえいとう) 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) 麻子仁丸(ましにんがん)