シンチグラフィ
シンチグラフィ
【英】scintigraphy
【独】Szintigraphie
【仏】scintigrafie
同義語:シンチスキャンscintiscan,シンチフォトscintiphoto,シンチグラムscintigram
RI*で標識した化合物をトレーサtracerとして投与し,その集積した臓器や組織の放射能を体外より測定し,画像として表示する検査法.シンチレーションカウンタを自動的に走査(スキャンscan)しながら臓器各部の放射能濃度の分布を画像表示することから始まった.できた画像をシンチグラムと呼ぶ.今日では大口径のシンチレーション検出器を装着したシンチカメラ*を用いて,走査せずに撮像できる
131I シンチグラフィ
アイ131シンチグラフィ
【英】131I scintigraphy
=甲状腺癌転移巣シンチグラフィ
甲状腺癌転移巣シンチグラフィ
コウジョウセンガンテンイソウシンチグラフィ
【英】scintigraphy of thyroid cancer metastatis
同義語:131Iシンチグラフィ 131I scintigraphy
甲状腺癌*thyroid carcinoma(cancer)は肺,次いで骨に転移しやすいが,甲状腺癌の肺,骨などへ転移の診断には131Iによるシンチグラフィが用いられる.遠隔転移した甲状腺癌では,まず甲状腺全摘手術を行い,その後に131I 37MBq~111MBqを投与.2日後に全身のシンチグラフィを撮影して,転移の有無を調べる.約60%の症例では転移巣が131Iを集積し,陽性像を示す.甲状腺転移巣シンチグラフィにより転移巣が131Iを強く取り込む症例では,131Iを用いたアイソトープ治療の治療効果が期待されるが,131Iを集積しない場合には治療効果はあまり期待できない.131Iシンチグラフィでは胸部X線で異常が指摘できない肺転移(occult metastasis)や,骨シンチグラフィが正常を示す骨転移が発見されることがある.甲状腺癌の肺・骨など遠隔転移の治療には131Iによるアイソトープ治療がきわめて有用である.しかし,一般的に甲状腺癌の骨転移の予後は不良のことが多い.またほかの悪性腫瘍と異なり,老齢者より40歳以下の若年者の方が予後が良い.