エルゴグラフ

エルゴグラフ

【英】ergograph, ergometer

【独】Ergometer, Ergograph

【仏】ergometre

同義語:作業記録器,筋仕事量計,作業計,力量計,労作計

 

負荷を与えられた筋が短縮するとき,筋のなす仕事を経時的に測定する装置をエルゴグラフ,エルゴグラフによって記録された図をエルゴグラムergogramという.負荷を加える方法は運動による摩擦,電流制御法,錘りなどが用いられる.下肢の作業記録器としては自転車エルゴメータbicycle ergometer自転車エルゴグラフ*)が用いられることが多い.負荷と回転頻度が一定の場合には仕事量は負荷,車輪の円周,回転数の積となる.負荷や回転数が変化している場合は,負荷と回転数の積の総和を求め,これに車輪の円周を乗じて求める.アイソパワーエルゴメータisopower ergometerでは,回転速度に反比例した負荷が加わるように調節されているので,回転数を変えても,仕事量は一定である.安静時,負荷のない状態でのペダル踏み運動中,一定の負荷を加えた運動中および回復期の呼気を採集し,心拍数を測定すると,初期酸素借,酸素負債,粗効率,真効率,酸素需要量,エネルギー需要量が測定でき,心肺機能の判定ができる.負荷を強くすると疲労のためペダル踏み運動の頻度が一定に維持できなくなる.このときのエルゴグラムより疲労の判定ができる.疲労が強くなると時間当たりの仕事量が減少する.車輪を手でまわすと上肢の運動についてのエルゴグラムを得る.指に荷重をかけ,これを指で引き上げるときの距離を記録する装置をモッソーのエルゴグラフMosso's ergograph,描かれた図形をモッソーのエルゴグラムという.荷重と距離の積を合計すると仕事量になる.疲労により引き上げの距離が減少する.→筋疲労疲労測定

→図