ヒメハギ                  (ヒメハギ科ヒメハギ属:多年草:草丈 〜20センチ:花期 〜7月)

薬効
滋養強壮 疲労回復 病後の回復
分布生育場所

科名:ヒメハギ科/属名:ヒメハギ属
和名:姫萩/生薬名:遠志(おんじ)/学名:Polygala japonica
日本全土の草地・山地の日当たり良い乾いた場所に自生する日本特産種

見分け方・特徴

戦前は日本の各地の山地に普通に自生が見られた常緑の多年草
根はやせて長く、茎は硬く、根元から数本が出て斜めに高さ10センチ、花後は約20センチになる
葉は、柄があり互生、長楕円形、無縁、先端は尖り、茎・葉には細かい毛がある
花は、4〜6月ころ茎の上部に、美しい小型の紫色の蝶形花をつける
花後、さく果をつけ円形褐色の種子が2個入る
採集と調整
根を秋に掘り取り、水洗いして天日で乾燥する
中国原産の生薬・遠志(おんじ)・イトヒメハギの根と同様の成分が含まれる
薬効・用い方
有効成分:マンギフェリン、テヌイゲニンなど

滋養強壮、疲労回復、病後の回復には、ヒメハギの根を乾燥したものを、根3グラム、水0.4リットルで、約半量まで煎じて、朝夕に服用する
その他
名の由来は、花の色が紫色でハギの花にみたて、全草が小さいことから、ヒメハギの名になった

イトヒメハギとヒメハギ
ヒメハギは日本特産種で、中国に自生するイトヒメハギの根を乾燥した生薬名の遠志(おんじ)は、すぐれた滋養強壮効果と疲労回復、虚弱体質改善、病後の回復薬として有名で、日本産のヒメハギと同様の成分テヌイゲニンを含み、遠志(おんじ)と同様の薬効が期待できる

日本の記録には、天平勝宝8年(756)に、崩御された聖武天皇の冥福祈願のために、光明皇后が、東大寺に献納した貴重な60種の生薬の第七番目に、遠志(おんじ)が「小草」の名で記述されている