真武湯(しんぶとう)
適応症 慢性下痢 胃腸虚弱 低血圧症 慢性腎炎 感冒 めまい  
目標 四肢の末端が極度に冷えて元気がなく、尿量減少して下痢しやすく、動悸(どうき)やめまいがあるもの。
構成 茯苓(ぶくりょう):5 芍薬(しゃくやく):3 生姜(しょうきょう):3 朮(じゅつ):3 附子(ぶし):0.5
備考 本方は、体力が低下して、新陳代謝機能が衰えて倦怠感と冷えを強く自覚する人に用います。慢性下痢によく用いられますが、腹部膨満感があり、胃や腹部に振水音があって、少しのことで下痢をしやすく、しかもその下痢はなかなかやまず、めまいや動悸を伴うものです。本方の、適用者は尿量の少ない人が多いようです。尿が透明で量の多い場合には、人参湯(にんじんとう)がよいようです。

本方には、附子(ぶし)が配合されており、のぼせ傾向の人には適しません。一般に附子は炮附子(ほうぶし)などのように、減毒加工したものが用いられているので安全ですが、のぼせたり、しびれ感が出る場合には服用を中止した方が無難です。