アマドコロ          (ユリ科アマドコロ属:多年草:草丈 〜60センチ:花期 〜7月 )

薬効
滋養強壮 強精 打撲傷(うちみ) 美容・美膚    
           
分布生育場所

科名:ユリ科/属名:アマドコロ属
和名:甘野老/生薬名:萎?(いずい)/玉竹(ぎょくちく)/学名:Polygonatum odoratum var.pluriflorum
日本全土の山地や丘陵地の草原。

見分け方・特徴

アマドコロは、根茎は黄白色の円柱形で横に伸び、ところどころに節があります。
4月〜5月頃地下茎の先から、6稜の角ばった、1本の茎を出します。
葉は互生、形状は両端の尖った長楕円形で、表面がやや堅く、少し厚みがあり裏面が白くなっています。
花は緑白色で、筒状のものを葉の脇から鈴を下げたようにつけます。
果実は小さな球形で、熟すと黒くなります。

よく似た植物に「ナルコユリ」がありますが、茎はアマドコロのような、角ばった稜線がなく、円柱状であること、花が1ヶ所から3個〜8個吊り下がる事から区別できます。
採集と調整
早春か秋、地上部が黄ばんだとき、根茎を掘り取り、水洗いして、ひげ根を除き、乾燥しやすいように、縦割りにして天日で乾燥させるか、また蒸気を通してから乾燥させます。
これを生薬の萎?(いずい)または玉竹(ぎょくちく)といいます。
薬効・用い方
滋養、強壮、強精、老化防止、美肌、色白、脳卒中、糖尿病、胃潰瘍の目的で用います。また、「本草綱目(ほんそうこうもく)」には中風による足の筋肉障害を取り除き、長く服用すると顔色もよくなり、つやがでてくると書いてあります。
用法は、萎?(いずい)1日量5〜10グラムに、水0.4リットルを加えて、煎じながら約半量に煮詰めたものをこして、1日3回食間に服用します。

打撲傷には、萎?(いずい)の粉末を食酢でかために練り、患部に厚めに塗ります。
または、打撲傷、捻挫には、生の根をすりおろして塗布します。

アマドコロ酒
4月〜10月に採取して、水洗いしひげ根を取り除き乾燥した地下茎200グラムとグラニュー糖200グラムを、ホワイトリカー1.8リットルに漬け、3ヶ月位冷暗所で熟成させて布でこし、1回20ミリリットルを限度に飲用します。
材料は6ヶ月程度で引き上げます。
アマドコロ酒は、淡黄色で特有の香りがあり、補精、強壮、老化防止、色白、美肌の効果があるとされます。
その他
アマドコロの名の由来は、根茎(こんけい)に甘味のあること、根茎(こんけい)の形がヤマイモ科の近似種(きんじしゅ)のトコロ(オニドコロ)に良く似ていることからつけられました。
また、華道の世界では、アマドコロは、生け花に花や実がよく生けられて楽しまれています。

早春に、芽をだしたばかりの若芽を地下茎の付着部よりとります。水洗いしてから、塩を入れた熱湯で茹でて、水にさらしてアクを抜きをします。
油でいため、みそとミリンで味付けをします。酢、みそ、みりんであえたり、マヨネーズで食べます。
地下茎も食べられますが、よく水あらいして、ひげ根を落とします。煮て食べると甘い味がします。