伝統中国医学における太陽病(たいようびょう)は、三陰三陽病の一つで一番はじめに起こる外感性疾病。六経病では太陽経病である。 傷寒論では、「太陽の病たる、浮脈、頭項強痛して悪寒す」といわれ発病の初期で、悪寒あるいは悪風、発熱(微熱)、頭痛、項強、脈浮という症候の時期の病態である。 太陽病の主要な治療法は、発汗(解表剤)である。 |
伝統中国医学における少陰病(しょういんびょう)は、三陰三陽病の一つで太陰病を過ぎて起こる外感性疾病。六経病では少陰経病である。傷寒論では、「少陰の病たる、脈微細、ただ寝んと欲するなり」といわれ、ますます元気がなくなり、臥床してうつらうつらしている。脈は微細で触れにくくなる。 |
伝統中国医学における太陰病(たいいんびょう)は、三陰三陽病の一つで陽明病を過ぎて起こる外感性疾病。六経病では太陰経病である。傷寒論では、「太陰の病たる、腹満して吐し、食下らず、自利益々甚だしく、時に自ら痛む若しこれを下せば、必ず胸下結鞕す」といわれ陽明病期の |
伝統中国医学における厥陰病(けついんびょう)は、三陰三陽病の一つで少陰病を過ぎて起こる最後の外感性疾病。六経病では厥陰経病である。傷寒論では、「厥陰の病たる、気上がって心を撞き、心中疼熱し、飢えて食を欲せず、食すれば則ち吐しこれを下せば利止まず」といわれ上気して顔色は一見赤みがかっているが、下半身 |
伝統中国医学における少陽病(しょうようびょう)は、三陰三陽病の一つで、太陽病の次に起こる外感性疾病。六経病では少陽経病である。傷寒論では、「少陽の病たる、口苦く、咽乾き、目眩くなり」といわれ、発病後4 5日ないし6 7日を経た時期の病態で、口苦、咽乾、舌苔白、食欲不振、悪心、脈弦緊などの症候を現わす。胸脇苦満や往来寒熱も出る。 |
伝統中国医学における陽明病(ようめいびょう)は、三陰三陽病の一つで少陽病を過ぎて起こる外感性疾病。六経病では陽明経病である。傷寒論では、「陽明の病たる、胃家実是なり」といわれ発病後八~九日以上を経た陽病の極期で、体温が高く、全身くまなく熱感に満ち、潮熱、腹実満、便秘、舌苔黄、脈沈などの症候を現わす時期の病態である。 |
病脈證并治」「辨可發汗病脈證并治」「辨發汗後病脈證并治」「辨不可吐」「辨可吐」「辨不可下病脈證并治」「辨可下病脈證并治」「辨發汗吐下後病脈證并治」の篇からなりたっている。 このうち一般に辨太陽病脈證并治~辨厥陰病脈證并治までは「三陰三陽篇」といわれ、辨不可發汗病脈證并治~辨可下病 |
太陽経病/陽明経病/少陽経病/太陰経病/少陰経病/厥陰経病 太陽病/少陽病/陽明病/太陰病/少陰病/厥陰病 合病/併病/直中/両感/壊病 督脈病/任脈病/衝脈病/帯脈病/陽維脈病/陰維脈病/陽蹻脈病/陰蹻脈病 手太陰肺経病/手陽明大腸経病/足陽明胃経病/足太陰脾経病 手少陰心経病/手太陽小腸経病/足太陽膀胱経病/足少陰腎経病
現在、日本漢方界においては「病名(診断名)=処方」「1症状=処方」が一般的な病院において普及しているが、弁証を重視する流派からは、これは中医学・漢方医学の本来の治療指針からは大きな誤りであり、誤治の起こる危険性を懸念する声も高く、また誤治を起こすと副作用として処理することに対し、遺憾であるとの声も根強い。 目次 八綱弁証 「zh:八纲辨证」も参照 八綱弁証とは、病人の証を決定するにあたって、表裏、寒熱、虚実の3対6項目に基づいて、病状を分析する方法。表裏は病気のある場所、寒熱は病気の性質、虚実は病邪の盛衰と身体の正気の強弱を表す[要出典]。 表裏、寒熱、虚実の3項目の組み合わせで、8種類ができ八網と呼ばれる[要出典]。 表裏 寒熱 虚実 六淫(外邪ないし外因) 六淫(外邪ないし外因)とは、外(外気)から侵襲した邪気の総称のこと。通常は六気と言って、邪気になりえない外環境であっても、生体の正気の過不足から邪気と受け止める場合は六淫といい、また季節の気候の過不足(寒すぎ、暑すぎなど)でも六淫となりえる。 病原体、あるいは厳しい自然環境や気候の急激な変化などが原因で発病した際、これらの条件を六淫(外因ないし外邪)と呼ぶ。逆に厳しい環境でも生体の正気の強さによっては六淫とならない場合もあり、外環境と生体の中環境のバランスも関係すると思われる。 風邪(ふうじゃ)/暑(熱)邪/火邪/燥邪/湿邪/寒邪 これに疫癘(えきれい)を加えることもある。 七情(内傷ないし内因) 七情(内傷ないし内因)とは、内(内気)から発症した精神の変動の総称のこと。通常は七気と言って、精神的に症があれば起こりうる。 ストレス等による疲れでも発症することが多い。これらの条件を七情(内因ないし内傷)と呼ぶ。 喜(喜び)/怒(怒り)/憂(憂い)/思(思い悩み)/悲(悲しみ)/恐(恐れ)/驚(驚き) 六経辨証 六経病 経絡辨証 奇経八脈辨証 督脈病/任脈病/衝脈病/帯脈病/陽維脈病/陰維脈病/陽蹻脈病/陰蹻脈病 正経十二経脈辨証 気血水辨証(気血津液辨証) 気病(気実、気虚)/血病(血虚、血寒、血熱、血実(瘀血))/気血同病/水(津液病) 衛気栄血辨証 三焦辨証 臓腑病証 肝病(肝気虚、肝血虚、肝陽虚、肝陰虚、肝鬱気滞、肝火上炎、肝陽上亢、肝風内動、肝経湿熱) /心病(心気虚、心陽虚、心血虚、心陰虚、心血淤阻、痰濁淤阻心脈、大気下陥、痰迷心竅、痰火擾心、心神不寧、心腎不交、心火亢進) /脾病(脾気虚、脾陽虚、脾陰虚、脾虚湿盛、寒湿困脾、脾胃湿熱、肝脾不和、脾胃昇降失調) /肺病(肺気虚、肺陽虚、肺陰虚、痰湿阻肺、風寒束肺、肺宣発粛降失調)/腎病(腎陽虚、腎陰虚、腎精不足、腎血淤)/心包病 胆病(胆気虚、胆湿熱、肝胆湿熱)/小腸病/胃病(胃気不和、肝胃不和、胃気上逆) /大腸病/膀胱病/三焦病 日本漢方の「証」 日本鍼灸の「証」 臓腑経絡弁証のみが発達して、六部定位脈診による経絡治療が主流である。
腎虚熱証/腎虚寒証 |
伝統中国医学における太陽経病(たいようけいびょう)は、六経病の一つで一番はじめに起こる外感性疾病。三陰三陽病では太陽病である。熱病は、陽の一番強い太陽経(小腸経、膀胱経)に外邪(寒邪)がまず侵襲、太陽経の巡る頭頂部が痛み、腰背部が強ばる症状を引き起こす。次に陽明経病に移行する。 三陽経病が病 |
伝統中国医学における陽明経病(ようめいけいびょう)は、六経病の一つで太陽経病が進んで次に起こる外感性疾病。三陰三陽病では陽明病である。陽明経(大腸経、胃経)に外邪が侵襲、陽明経が主るのは肌肉であり、その経絡は鼻をはさんで目に連なっている。そのため目が痛み、鼻が乾き、安臥することができなくなる。次に少陽経病に移行する。 三陽 |
伝統中国医学における太陰経病(たいいんけいびょう)は、六経病の一つで少陽経病が過ぎて四番目に起こる外感性疾病。三陰三陽病では太陰病である。病気が進行すると、太陰経病(肺経、脾経)が邪気を受ける。太陰経は胃中に分布し、咽喉を絡う。そのために腹中脹満し、咽喉の渇きを訴える。次に少陰経病に移行する。 |
伝統中国医学における少陰経病(しょういんけいびょう)は、六経病の一つで太陰経病が過ぎて五番目に起こる外感性疾病。三陰三陽病では少陰病である。さらに深く病邪が進行して、少陰経病(心経、腎経)が病を受ける。少陰経は腎を貫き、肺を絡い舌根に繋ぐ。そのために口が燥き、舌根により渇きを訴える。次に厥陰経病に移行する。 |
伝統中国医学における少陽経病(しょうようけいびょう)は、六経病の一つで陽明経病が進んで三番目に起こる外感性疾病。三陰三陽病では少陽病である。さらに外邪(寒邪)が少陽経(三焦経、胆経)に侵襲、少陽経が司るのは胆であり、その経絡は胸脇を巡り耳を絡う。そのために胸脇痛、耳聾を引き起こす。次に太陰経病に移行する。 三陽経病が病 |
伝統中国医学における厥陰経病(けついんけいびょう)は、六経病の一つで少陰経病が過ぎて最後に起こる外感性疾病。三陰三陽病では厥陰病である。厥陰経病(心包経、肝経)に達して、厥陰経は陰器を巡り肝を絡う。そのために煩悶を起こし、陰嚢が収縮する。そして死に移行する。 |