『梁門』りょうもん足の陽明胃経 ( ST21 )
解剖学的データ
筋肉 恥骨の恥骨結合部および恥骨結節上縁から起こり、第5~第7肋軟骨と剣状突起に停止する筋肉。主に体幹部を屈曲・回旋・側屈させる働きがあり、呼吸にも関与する。 |
運動神経 肋間神経‐筋枝 胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。 |
知覚神経 肋間神経‐前皮枝 胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。 |
血管肋間動脈 最上肋間動脈・胸大動脈から起こり、肋骨の下縁(肋間)に沿って走る動脈のこと。肋間動脈の起始部近くからは背枝が出ており、さらに背筋を栄養する筋枝、脊髄を栄養する脊髄枝、背部の皮膚を栄養する皮枝に分かれる。また肋間動脈が内肋間膜を貫通すると側副枝が出ており、下位の肋骨の上縁に沿って走る。胸郭の外側部では外側枝が出ており、さらに前枝と後枝に分かれ胸郭外側壁の皮膚に栄養するが、前枝からは乳腺枝が出て乳腺も栄養する。 内胸動脈から起こり、腹直筋の後面を下行し、臍の高さで外腸骨動脈の枝である下腹壁動脈と吻合する動脈。主に腹部の筋肉や横隔膜の一部を栄養している。 |
主治・対象疾患
足陽明胃経
上腹部、臍中央の上方四寸、前正中線の外方二寸。
※ST25)天枢の上方四寸、ST20)承満の下方一寸、CV12)中脘の外方二寸にある。
※デジャルダン膵臓圧診点に近い。
「梁=経気が巡る上で最も重要な箇所(関)」。本穴が、胃気が巡る上で最も重要な門を為す事から。
※「梁=伏梁」をその門から瀉することができる為とも。
※当時の主食、高梁が通過する門との意からとも。
〔瀉〕和胃降逆・積滞消導・消積軟堅・調理胃気
〔灸〕寒咳温散
◆足陽明経病
躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など
しゃっくり・胃疾患・※伏梁・黄疸・未消化物の混じった水様の下痢
・「門」の付く経穴は、病症の表れる処であり、治療の要点でもある。
※心積伏梁…五積之一。臍上から心窩部にかけて大きなしこりが在り、慢性化する。顔が赤い・喉が渇き、唾に血が混じる・動悸・胸苦しさ・お腹の中の熱感・掌のほてり・脈沈芤。悪化すると痙攣をおこすことも。