経絡
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経絡図の一例 |
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経絡(けいらく、Meridian)とは、古代中国の医学において、人体の中の気血栄衛(気や血や水などといった生きるために必要なもの、現代で言う代謝物質)の通り道として考え出されたものである。経は経脈を、絡は絡脈を表し、経脈は縦の脈、絡脈は横の脈の意。
経脈は十二の正経と呼ばれるものと、八の奇経と呼ばれるものがある。正経は陰陽で分類され、陰は太陰、少陰、厥陰の三陰に、陽は太陽、陽明、少陽の三陽に分けられ、手、足それぞれに三陽三陰の属する経脈が割り振られて計十二脈になる。そして、陰経は臓に属して、陽経は腑に属する。奇経の中では任脈と督脈だけが独自の経穴を持っている。
経脈には経別と呼ばれるものもある。
絡脈は十五絡脈とその他の絡脈、その中でさらに分かれて小さくなった孫絡がある。その他、五臓六腑を纏わない経筋と呼ばれるものもある。
上記全てを併せて、経絡と呼ぶ。
経絡という言葉の語源:
【出典】:《素問•三部九候論》:“血病身有痛者治経絡。”《漢書•藝文志》:“医経者,原人血脈経髓陰陽表裏,以起百病之本,死生之分。”
【示例】:《史记•扁鵲倉公列伝》“中経維絡,別下於三焦、膀胱” 唐
張守節 正義:“言経絡於三焦及膀胱也。” 明 宋濂 《医家十四經発揮序》:“学医道者,不可不明乎経絡。”
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正経
正経(せいけい)とは、通常の経脈のことを意味している。異経である奇経に対して通常の性質を持っている。
気血が行き、満ち溢れている。正経には十二の脈があり、それぞれが独自の経穴を持っている。奇経の任脈、督脈だけは独自の経穴を持っており、正経十二経と結びつけて十四経とする場合もある。
正経に所属する経絡の一覧
手の太陰肺経 |
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足の陽明胃経 |
足の太陰脾経 |
手の少陰心経 |
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足の太陽膀胱経 |
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奇経
奇経(きけい)とは、平常ではない奇異な経脈のことを意味している。常経である正経に対して特異な性質を持っている。
十二経には、気血が行くが、満ち溢れると、奇経に流入する。放水路のように常経の洪水を防ぐ働きをしている。奇経には八つの脈があり、それぞれ正経の経穴を使いまわしにしているが任脈、督脈だけは独自の経穴を持っており、正経十二経と結びつけて十四経とする場合もある。
奇経に所属する経絡の一覧
衝脈 |
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陰維脈 |
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任脈 |
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中国式 LI-4 合谷の経穴
経穴 (けいけつ) とは、中医学、漢方医学、経絡学の概念で、体内の異常に応じて体表の特定の部位に対応して現れるもので指圧、鍼、灸で刺激を与えることで体調の調整、諸症状の緩和を図るものである。一般には「ツボ」とも呼ばれる。筋筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome)におけるトリガーポイント(例えば腰痛の原因となる筋・筋膜内の好発部位)と大半が一致する。偽の刺激よりも真の経穴への刺激の方が効果は高い。
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概要
経穴は、もとは中国の中医学に由来し経験的な知見により見出されたものである。重要な神経・血管・筋走行上に位置したり体性-内臓反射等で医学的関連があり、現在ではWHOにおいても治療効果が認められている[3]。
中医学、漢方医学的説明では、経穴は「気と血」のエネルギーの通り道であるといわれる経絡上にあって、気血が出入りし、経絡が合流したり分枝したりする経絡状の重要なところである。一般的にはツボと呼ばれ、また「穴(けつ)」とも呼ばれるように、熟練した鍼灸師が触診すると、微細な陥凹部としてとらえられる。鍼灸で診断や施術をする重要な部位である。禁鍼穴・禁灸穴と呼ばれる、施術が禁止されている経穴もある。
皇甫謐の『鍼灸甲乙経』では経絡上に配置されている。楊継洲の『鍼灸大成』で理論的に書かれた。王執中の『鍼灸資生経』ではツボの部位とその主治、鍼灸法や取穴と治療法などが記載された。
経穴の種類
経穴には正穴と奇穴があり、正穴は14本の経絡(任脈、督脈と12正経)に属し、滑寿の『十四経発揮』によると354穴が全身に存在する。WHOでは1989年、奇穴のうち7穴を14正経に所属させて361穴とした。奇穴も250穴以上ある。現在、欧米ではアルファベット2字と数字で経穴を表している。たとえば足三里穴はST36である。一方、日本や中国、台湾などでは、昔ながらの漢字による表記がなされている。
経穴の場所の多くは関節、筋溝、腱上、腱下、骨縁、骨端、骨孔、動脈の上や静脈の上、神経の上部にあたる部分に存在しており、実際に取穴した際に指頭を使って経穴部位を確認する。疾病の際にその部分に様々な病態変化が起きるので指頭で探ることにより圧痛があったり、特異な響きが出ることがある。これを内臓皮膚体表反射という。逆に鍼灸等を用いて刺激することにより治療を行ったときに出る現象を皮膚体表内臓反射という。
日本の経穴学とWHO方式
経穴の場所については日中韓で92個のその解釈に微妙な相違が存在したため、2003年からWHO経穴部位国際標準化公式会議が日中韓をはじめとした9カ国2組織が参加して開かれ、2006年に経穴の場所が統一された。[3]
日本の鍼灸養成施設(海外の鍼灸養成施設はWHO方式を採用)で用いられている経絡経穴の教科書は、古法に基づいて行おうということでWHO方式ではないが、2009年からは世界基準に従い、日本の鍼灸養成施設でもWHO方式を採用する事が決定した。
作用機序
ツボ療法の原理は、ツボと内臓との関係から考えられる[要出典]。ツボとは内臓の疾患が、皮膚の表面への反応として敏感に出てきた所であるといわれている[誰によって?]。つまり、このツボを刺激すれば、内臓への働きかけが可能ということになる[要出典]。 このように体の表面と内部の病態との関係を多くの実例から究明したものをツボ理論という[要出典]。ツボを刺激すると、それが、脊髄や中枢に伝えられ、それを受け取った中枢はさらに、その先の末梢神経、つまり指先へ刺激を伝えていく[要出典]。逆にいえば、指先を動かすことによって気血経絡を通して各ポイントを刺激することになり、全身の血行を正常化する[要出典]。つまり、血液の循環がよくなり、頭の回転が促進され、血液が体のすみずみまで行き届くことになる[要出典]。したがって、ストレスが自然に解消され[要出典]、内臓を丈夫にするといわれている[誰によって?]。
有効性
経穴と経穴でない部分への刺激による効果を比較した66研究、のべ7265人から、偽の刺激よりも真の経穴への刺激の方が効果的であったが、非常に多様な異なる偽の刺激点が用いられているため偽の刺激点が治療効果をもたらすかについては結論を下せなかった[2]。
関連項目