オトギリソウ
(オトギリソウ科オトギリソウ属:多年草:草丈 〜60センチ:花期 〜10月)
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薬効 |
神経痛(しんけいつう)
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リューマチ
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痛風(つうふう)
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外傷(がいしょう)
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打撲傷(うちみ)
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月経不順
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分布生育場所 |
科名:オトギリソウ科/属名:オトギリソウ属
和名:弟切草/生薬名:小連翹(しょうれんぎょう)/学名:Hypericum erectum
日本全土の日当たりのよい原野、山地、道端など、朝鮮半島、中国大陸に広く分布
亜高山、高山地域にはイワオトギリが自生
本州中部地域の亜高山〜高山に自生するシナノオトギリ
イギリス、ヨーロッパ原産のセイヨウオトギリソウ/セント・ジョーンズ・ワート
オトギリソウ科オトギリソウ属キンシバイ(金糸梅)
オトギリソウ科オトギリソウ属ビヨウヤナギ(美容柳/未央柳)
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見分け方・特徴
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茎は円柱状で、上の方で分枝しています。
葉は対生、葉柄は無く、形は披針形で先は丸みをおびていて、長さ2〜6センチ、巾7〜20ミリ程です。
葉縁は全縁で、葉を透かして見ると、黒点のこまかい油点が散在しています。
オトギリソウの仲間には明点と黒点があって、その油点の種類と葉肉中の分布により、種類が異なっています。
葉の基部は対生する両葉が茎を抱くように接しています。
花は、夏から秋にかけての分枝の先に黄色の円錐花序をつけ、日没時にはしぼんでしまいます。
花弁は5、長さ8〜10ミリ、花柱は3で、大きさは3.5〜4ミリ、がく片は5枚で狭長楕円形、長さは4ミリ程です。
果実はサク果で、形は卵形、長さ3〜10ミリで3室からなっていて、中にはこまかい種子がつまっています。 |
採集と調整 |
全草を8〜10月の果実が成熟するころ刈り採り、天日で干して乾燥させます。
これを生薬(しょうやく)で、小連翹(しょうれんぎょう)といいます。 |
薬効・用い方 |
有効成分:タンニン、また、セイヨウオトギリソウには、ルチン、クエルチトリン、クエルセチン、ヘペリジン、ヘペロサイド他
月経不順や鎮痛剤として用いる場合には、小連翹を刻み、1回量2〜4グラムに、水0.3リットルを加えて、煎じながら約半量まで煮詰めたものをこして、服用します。
外用には必要時に適量の生葉を採取して用い、民間での創傷、打撲傷には、新鮮な葉からしぼり汁を取り、傷に塗布します。
又、小連翹を刻み10〜20グラムに、水0.3リットルを加えて約30分煎じて、その煎液で患部を湿布します。
浴剤としてもリューマチ、神経痛、痛風などの鎮痛に効き目があるとされます。
ヒペリシン
オトギリソウには、成分としてタンニンが多く含まれていますが、特有なものとして黒紫色素のヒペリシンが知られています。ヒペリシンは紫外線を強く吸収して、生体内における光化学反応を異常に促進するものです。
オトギリソウを食べた牛や馬が太陽光線に当たると、強い皮膚炎を起こし、脱毛しますが、これがヒペリシンの作用と考えられます。
また、マウスにオトギリソウを与える実験では暗所では正常なマウスが日光に当たると急に痙攣(けいれん)を起こして死んでしまいます。これもヒペリシンの作用と考えられます。
オトギリソウ酒
生の茎葉約200〜300グラム(乾燥100〜200)、35度ホワイトリカー1.8リットルを漬け込み冷暗所に3〜6ヶ月保存して材料を引き上げます。外用に健康酒に利用します。外用の場合には、皮膚に付けて、パッチテストが必要になります。 |
その他 |
オトギリソウには古くに名前の由来があります。「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)(1713)」にこうあります。
「花仙院の時代に晴頼(せいらい)という鷹匠(たかしょう)がいました。薬草を用いて鷹の傷を治すことで有名でしたが薬草の名は秘密にして決して口外しませんでした。ある日、人のよい弟がその薬草の名を他人に漏らしてしまいました。これを知って晴頼(せいらい)は怒って、弟を切ってしまったのです。」そして、その恋人も後を追ったという伝説があります。
そのときに庭に栽培していた薬草に弟の血潮が飛び散り、その跡が葉に残っていてオトギリソウの名がついたとされています。
中国では、果実の中の種子が並んでいる様子が翹(ぎょう・女性の髪飾りの一種)に似ている、連翹(れんぎょう)という植物があり、それより小さいので小連翹(しょうれんぎょう)という漢名があります。
オトギリソウの話をご覧ください。 |