ミカエリス定数

ミカエリステイスウ

【英】Michaelis constant

【独】MichaelisKonstante

【仏】constante de Michaelis

同義語:Km,ミハエリス定数

 

ミカエリス・メンテンの式

→式1

 

v:酵素反応の初速度,V:最大速度,〔S〕:基質濃度)

においてKmをミカエリス定数という.上の式で,

v12 V

のときの基質濃度がKmであることがわかる.酵素反応を表す式

→式2

 

において,酵素Eが基質Sと結合する速度定数をk+1,酵素・基質複合体ESESに解離する速度定数をk-1, ESEPに解離する速度定数をk+2とすれば,Kmは

→式3

 

で表される(→ミカエリス・メンテンの式).ここでk+2≪k-1であれば,

→式4

 

となり,KmはESの解離定数と見なすことができる.したがってKmが大きい場合は,ESの結合力すなわち親和性が小さく,逆にKm値が小さいときは,この結合力ないしは親和性が大であるということになる.ただしk+2値がk-1に比べて無視できない場合は,Kmは単純にESの親和性を示すものではなく,生成物を産生する速度が加味され複雑な意味をもってくる(Leonor Michaelisはドイツ生まれのアメリカの化学者,18751949).

→図