アカマツ                  (マツ科マツ属:常緑高木:樹高 〜30メートル:花期 〜4月)
薬効
滋養強壮 高コレステロール 心臓病 動脈硬化 低血圧 貧血
ボケ・痴呆症 老化防止 歯周病 止血
分布生育場所
科名:マツ科/属名:マツ属
和名:赤松/別名:メマツ/生薬名:松脂(しょうし)/海松子(かいしょうし)/学名:Pinus densiflora
本州、四国、九州の山野、野原に自生するアカマツ、 日本全土の海岸に自生するクロマツ
庭や防風林などに広く栽植される

(←拡大画像はクリックします)
見分け方・特徴
本州の北から九州の屋久島までの山野に、ごく一般に自生していて、防風林として植林にも利用されています。
アカマツは樹皮と新芽が赤褐色で葉は長針形で双生しています。
春に雄花、雌花をつけ、果実は球果で木質で堅く、卵状円錐形です。2年目の秋から成熟して種子を残します。
採集と調整
松脂は、幹に傷をつけて浸出した生松脂を採取して乾燥します。淡黄色透明のかたまりでもろく臭気があります。これを生薬で、松脂(しょうし)といいます。
また、マツの実を乾燥したものを生薬で、海松子(かいしょうし)といいます。

松葉は、山林のアカマツの一番勢いの良い5〜9月ころ新芽を採取して、約1センチほどに刻み、天日で干して乾燥してカラカラにします。カラカラになったらフライパンなどで炒ります。
炒ったアカマツをミキサーで粉末にして保存します。
1日量10〜20グラムを0.5リットルで約半量まで煎じて3回に分けて服用。
お茶として飲用する場合は1回分約3グラムを熱湯を注いで、冷めてから飲用します。
薬効・用い方
肩こり、筋肉痛、あかぎれ、打撲傷に松脂を患部に塗布します。松脂は粘着薬で松脂膏薬や軟膏などの原料になります。

マツの実、マツ葉は、低血圧症、冷え性、不眠症、食欲不振、去淡、膀胱炎、動脈硬化症、糖尿病、リューマチ、神経痛、健胃、疲労回復、心臓病などに松脂の粉末を酒にいれて飲用。
去淡には、2グラムの松脂と焼酎0.01リットルで溶かして水0.2リットルと砂糖3グラムを加えて飲用。
松葉酒は松葉(生松葉)を適量と焼酎を加えて1〜3ヶ月冷暗所において飲用。
ハチミツや黒砂糖を入れると飲みやすくなります。

また、生のマツ葉を煎じて、うがいをすると虫歯や口内炎治療の効果もあるとされます。マツには、松脂成分テルペン油の鎮痛作用とされています。
生の青いマツ葉を採取して良く洗い、半分くらいに折って、折った方から口に入れて、軽く噛みます。噛んだ後には吐き捨てます。それで、精神集中や歯の病気の予防になるとされます。これは、簡単ですから、一度試してみてください。

松葉の発酵酒は、新鮮な生の松葉を良く洗い、1升ビンに半分量程度をいれます。水を8分目くらい入れて、布のふたをします。晴れた日に太陽にあてて、曇ったら取り込みます。発酵して炭酸ガスが沸いてきますので。ときどきビンを注意して見ます。炭酸ガスが沸かなくなったら出来あがりです。約1週間程度です。
コップ1杯を朝晩飲用。5日ほどで飲みあげるようにします。カビには十分注意してください。

松葉ジュースは、青く新鮮な松葉10グラム程度の根元のさやを取り除いて水洗いします、水0.2リットルと皮をむいたレモン半分をジューサーに30秒程度かけます、ハチミツで甘味をつけてそのまま飲みます。バナナ、リンゴ、アシタバ、パセリなどを入れてブレンドしたジュースも味わいがあります。

マツの有効成分は、葉緑素クロロフィル(増血作用、血液浄化、血液中の不飽和脂肪酸溶解)、テルペン精油(ピネン、ジペンテン、リモネン含有成分・血液中のコレステロール除去し血液をサラサラにしてボケ、脳卒中、動脈硬化を抑制)、ビタミンA・C、ビタミンK、鉄分、酵素(血液の凝固、骨へのカルシウム沈着・老化を抑制し出血を防ぐ)
その他
名前の由来は、マツは、古くから神聖な木として考えられていたようです。神がマツの木に天から降りることを、待つ(マツ)という説があります。また、マツの葉が二股に分れている様子から、股(マタ)から転訛(てんか)して、マツという名がついという説もあります。

アカマツ林(樹皮が赤い色をしているからアカマツ)は、一般的には防風林として重要な役割をはたしていて、秋の味覚の「マツタケ」は、アカマツに寄生します。
アカマツは、マジ、マズ、オナゴマツ、ノラマツ、メマツなどの呼び名があります。

マツは、アカマツ、黒松、五葉マツ、大王マツ、這松、琉球松の種類がありますが、薬用に用いるのはアカマツが一番適しています。

古来、中国では「仙人が松葉を常食していた」と伝えられていて、山伏は松葉を食べて険しい山岳を旅したとされ、中国の漢方古書「本草綱目」では「毛髪を生じ、五臓を安んじ、中(胃のこと)を守り、天年を延べる(長寿のこと)」「強壮になり、歯を固め、耳目をよくす」という記述があります。