アザミ                   (キク科アザミ属:多年草:草丈 〜50センチ:花期 〜6月)

薬効
利尿 解毒 止血 滋養強壮 月経不順 子宮筋腫
鼻血(はなぢ) 下血 尿血       
分布生育場所

科名:キク科/属名:アザミ属
和名:野薊/学名:Cirsium japonicum
北海道、本州、四国、九州の全国に海岸から高山まで普通にみられる多年草。
本州中部以北の草原に自生、秋に咲くノハラアザミ、本州東北から中部地域の亜高山、高山の草原のナンブタカネアザミ、 本州中部以北の山地の草原に自生するナンブアザミ、本州の沢、川岸などの湿地に自生するサワアザミ、 中部、関東の山地に自生するトネアザミ、新潟県阿賀町のノアザミ

(←拡大画像はクリックします)-ノアザミ

見分け方・特徴

多年草で葉は、やや厚く通常羽状の欠刻があって大小の鋸歯があり、いづれも鋸歯の先端はみな堅い刺になっています。
頭状花は、すべて筒状花よりなり、日中の開花しているころ、雌ずいに触れると雄ずいから花粉が押し出されます。接触運動の一種です。雄ずいが先に熟す先熟花で、まず、雄ずいが花筒から表れます。それが引っ込むと次に雌ずいが出て受粉します。するとまた花筒内に引き込んでしまうといった具合です。
それを目当てに、開花時の花粉媒介に多くの昆虫が訪れます。
山野にもっとも普通に見られるノアザミは、北海道を除く各地に分布します。茎に軟毛が多く、もっとも早く5〜6月から直径3〜5センチの頭状花をつけます。総苞(そうほう)の外側が粘っていて、色は白色、淡紅色、濃紫色などがあります。
鮮やかなものは、花アザミとかドイツアザミと呼ばれています。
採集と調整
夏から秋の花期に採取して、天日で乾燥させます。根は土を水洗いして落としてから天日で乾燥させます。
これを生薬(生薬)で、薊(けい)といいます。
薬効・用い方
利尿、解毒、止血、強壮薬として月経不順、子宮筋腫、鼻血、尿血、下血などに用いています。用い方は葉20〜30グラムに水0.4リットルを入れて煎じ、約2分の1量までトロ火で煮詰めたものを1日量として食前か食間に3回服用します。
止血には根を1日量15グラムとして同様に煎じて用います。出血、吐血、鼻血、痔出血などに効き目があるとされ、健胃薬にも利用されます。
根の中には、持続性の血圧降下作用物質が含まれています。
その他
アザミの名前の由来は、「和名抄(わみょうしょう・932)」に「葉には刺(とげ)多し、阿佐美(あさみ)」という記述があります。
「植物名の由来(中村浩・1980)」には、「アザムという言葉は、アサマから転訛(てんか)したもので、傷むとか傷ましいの意である」という解説があります。
アザミに触ると刺があり痛いので、アザム草が転訛してアザミと呼ばれるようになりました。

アザミの種類で大部分のものが食べられます。若ければ刺は揚げたり、ゆでたりすれば気になりません。てんぷら、ごまあえ、クルミあえ、からしあえ、油炒め、きんぴらなどです。
芽、葉、根を用いますが、根は1年中利用できますが、強いアクがあるため、ゆでてから米のとぎ汁で一晩さらすといいでしょう。

どこにでも、自生する刺の多いキク科の植物です。日本特産の種類も多く約100種類があります。普通に山野に見られるのはノアザミがほとんどです。
モリアザミ、フジアザミ、ハマアザミ、ノアザミの根は煮たり、漬物、キンピラにすると美味しく食べられますが、採取時期は秋がもっとも適しています。