生薬一覧

生薬一覧（しょうやくいちらん、list of crude drugs）

次に生薬の一覧を示す。

なお、生薬には医薬品医療機器等法上、医薬品として扱われるものと、医薬品として扱われないもの（食品扱い）の 2種類がある。本記事においては、これら両方が混在している。医薬品と食品の区分については、医薬品#食薬区分を参照されたい。

生薬一覧（五十音順）

生薬名	和名	局方	ラテン名	備考
アカメガシワ	赤芽柏	局14	Malloti Cortex
アガリクスタケ	アガリクス茸			姫松茸とも表記
アギ	阿魏		Asa Foetida
アキョウ	阿膠		Asini Corii Collas
アラビアゴム		局	Gummi Arabicum
アクジツ	悪実
アケビ	木通	局	Akebiae Caulis
アシタバ	明日葉
アセンヤク	阿仙薬	局14	Uncariae gambir
アタンシ（中国語版、英語版）	鴉胆子
アヘン	阿片
アマチャ	甘茶	局14	Hydrangeae Dulcis Folium
アマチャヅル	甘茶蔓			七葉胆に同じ
アロエ	蘆薈	局14	Aloe
アンソッコウ	安息香	局14	Benzonium
イタカッコン（中国語版、ドイツ語版）	板葛根			板藍根とも
イチイヨウ	一位葉
イチジク	無花果
イチョウ	銀杏
イレイセン（中国語版）	威霊仙		Clematidis Radix
イワタバコ	岩煙草			イワヂシャ、ガンワキョに同じ
イワヂシャ	岩萵苣			イワタバコ、ガンワキョに同じ
インチンコウ	茵蔯蒿		Artemisiae Capillari Flos
インヨウカク	淫羊霍	局
ウイキョウ	茴香	局14	Foeniculi Fructus
ウコン	鬱金	局
ウショウ	烏樟
ウツボグサ	靫草
ウバイ	烏梅
ウマ	馬
ウヤク	烏薬	局	Linderae Radix
ウラジロガシ	裏白樫		Quercus salicina
ウワウルシ		局14	Uvae Ursi Folium
エイジツ	営実	局14	Rosae Fructus
エゾノレンリソウ
エンゴサク	延胡索	局14	Corydalis Tuber
エンメイソウ	延命草
エンメイヒ	延命皮
オウギ	黄耆	局14	Astragali Radix
コガネバナ	黄岑	局14	Scutellariae Radix
オウセイ（中国語版）	黄精		Polygonatum sibiricum
オウバク	黄柏	局14	Phellodendri Cortex
オウヒ	桜皮
オウフルギョウ（中国語版）	王不留行		Vaccaria segetalis	麦藍菜に同じ
オウレン	黄連	局14	Coptidis Rhizoma
オオムギ	大麦		Hordeum vulgare
オタネニンジン	御種人蔘	局14	Ginseng Radix Rubra	局方上はニンジン
オンジ	遠志	局14	Polygalae Radix
カイカ	槐花		Styphnolobium japonicum
ガイシ	芥子
カイソウ（中国語版、英語版）	海葱		Urginea maritima
カイニンソウ	海人草	局		マクリに同じ
ガイハク	薤白
カイマイ	槐米
ガイヨウ	艾葉	局	Artemisiae Folium
カクデカッコン	角出葛根
カゴソウ	夏枯草	局14	Prunellae Spica
カシ	瓜子
カシ（中国語版、英語版）	訶子		Terminalia chebula
カシュウ	何首烏	局	Polygoni Multiflori Radix
ガジュツ	我朮	局14	Zedoariae Rhizoma
カッコウ	霍香	局	Pogostemoni Herba
カッコン	葛根	局14	Puerariae Radix
カッセキ	滑石	局	Talcum Crystallinum (Kadinum)
カノコソウ	鹿子草	局14	Valerianae Radix
カヒ	夏皮
カフン	花粉
カマラ
カミツレバナ
カラシュクシャ	唐縮砂
カラスビシャク	烏柄杓			半夏に同じ
カリン	榠樝、花梨
カロコン	栝楼根	局14	Trichosanthis Radix
カロニン	栝楼仁	Trichosanthis Semen
カンキョウ	乾姜	局	Zingiberis Siccatum Rhizoma	生姜の修治品
カンゾウ	甘草	局14	Glycyrrhizae Radix
カンタリス
カントウカ	款冬花
ガンビール				阿仙薬に同じ
キキョウ	桔梗	局14	Platycodi Radix
キササゲ	木大角豆	局14	Catalpae Fructus
キジツ	枳実	局14	Aurantii Fructus Immaturus
キジュ	喜樹
キセイ	寄生
キッカ/キクカ	菊花	局	Chrysanthemi Flos
キッソウコン/カノコソウ	吉草根	局
キナ
ギムネマ・シルベスタ
キュウシ	韮子
キュウハク	韮白
キョウカツ（中国語版、英語版）	羌活		Notopterygii Rhizoma
キョウニン	杏仁	局14	Armeniacae Semen
キョウオウ	姜黄
ギョクショクキズイ	玉蜀黍蕊
ギョセイソウ	魚腥草			ジュウヤクに同じ
キンキツ	金橘
キンギンカ	金銀花
キンフカン	金不換			羅勒とも
クコシ	枸杞子	局	Lycii Fructus
クジン	苦参	局14	Sophorae Radix
クズ	葛
クチナシ	梔子
クバクシ	瞿麦子			蘧麦とも
クヘントウ	苦扁桃
クマザサ	熊笹
クマノイ	熊胆
クララ				クジンに同じ
クレンピ	苦楝皮
クローブ				チョウジに同じ
ケイガイ	荊芥	局14	Schizonepetae Spica
ケイケットウ	鶏血藤
ケイサンリョウ（中国語版、英語版）	荊山棱
ケイシ	桂枝
ケイヒ	桂皮	局14	Cinnamomi Cortex
ゲッケイジツ	月桂実
ゲッケイヨウ	月桂葉
ケツメイシ	決明子	局14	Cassiae Torae Semen
ゲンコ	玄胡			延胡索のこと
ゲンコ	元胡			延胡索（玄胡）の別称か
ケンゴシ	牽牛子	局14	Pharbitidis Semen
ゲンジン	玄参
ゲンチアナ		局14	Gentianae Radix
ゲンノショウコ	現証拠	局14	Geranii Herba	老鸛草とも
コウイ	膠飴		Saccharum Granorum
コウカ	紅花	局14	Carthami Flos
コウシ	香鼓
コウジン	紅参	局14	Ginseng Radix Rubra	オタネニンジンに同じ。局方上はニンジン
コウソウ	紅棗
コウブシ	香附子	局14	Cyperi Rhizoma
コウフン	鉤吻		Gelsemium Elegans
コウベイ	粳米		Oryzae Semen
コウボク	厚朴	局14	Magnoliae Cortex
コウホン（中国語版）	藁本
コウライニンジン	高麗人蔘	局14	Ginseng Radix Rubra	オタネニンジンに同じ。局方上はニンジン
ゴオウ	牛黄	局14	Bezoar Bovis
ゴカヒ	五加皮
コクロウ	国老
コジソウ	虎耳草
ゴシツ	牛膝	局14	Achyranthis Radix
ゴシュユ	呉茱萸	局14	Evodiae Fructus
コジョウコン	虎杖根
ゴバイシ	五倍子
ゴボウシ	牛蒡子		Arctii Fructus
ゴマ	胡麻		Sesami Semen
ゴマユ	胡麻油
ゴミシ	五味子	局14	Schisandrae Fructus
コルヒクム			Colchici Semen
コロンボ		局14	Calumbae Radix
コンズランゴ		局14	Condurango Cortex
サイカク	犀角		Cornu Rhinoceri
サクショウソウ	酢漿草
サイコ	柴胡	局14	Bupleuri Radix
サイシン	細辛	局14	Asiasari Radix
ザクロヒ	石榴皮
サフラン		局14	Crocus
サンキライ	山帰来	局14	Smilacis Rhizoma
サンザシ	山査子		Crataegi Fructus
サンシシ	山梔子	局14	Gardeniae Fructus
サンシュユ	山茱萸	局14	Corni Fructus
サンショウ	山椒	局14	Zanthoxyli Fructus
サンショウコン	酸漿根
サンズコン（中国語版）	山豆根
サンソウニン	酸棗仁		Zizyphi Spinosi Semen
サンペンズ	山扁豆
サンモコン	酸模根
サンヤク	山薬	局14	Dioscoreae Rhizoma
サンリョウ（中国語版、英語版）	三棱
サンリョウ	山棱			三棱の別称か
ジオウ	地黄	局14	Rehmanniae Radix
シオン	紫苑
ジギタリス		局14	Digitalis
ジコッピ	地骨皮		Lycii Cortex
シコン	紫根	局14	Lithospermi Radix
シシ	梔子
シジツ	梓実			キササゲに同じ
シソウ	紫草
シソシ	紫蘇子			荏胡麻のことか
シソヨウ	紫蘇葉			ソヨウに同じ
シツリシ	蒺藜子		Tribuli Fructus
シテイ	柿蔕
ジネンジョウ	自然生
シマ	芝麻
シャカンゾウ	炙甘草	局	Glycyrrhizae Radix preparata	ウラルカンゾウ（東北甘草）
シャクナゲ	石南花
シャクヤク	芍薬	局14	Paeoniae Radix
ジャコウ	麝香
ジャショウシ（中国語版、英語版）	蛇床子
シャジン	砂仁
シャジン（中国語版）	沙参
シャゼンシ	車前子	局14	Plantaginis Semen
シャゼンソウ	車前草	局14	Plantaginis Herba
シャゼンヨウ	車前葉
シャチュウ	庶虫		Eupolyphaga
ジュウヤク	十薬または重薬	局14	Houttuyniae Herba	ギョセイソウに同じ
シュクシャ	縮砂	局14	Amomi Semen	縮砂密か
シュクシャニン	縮砂仁			縮砂密か
シュシャ	朱砂
シュユ	首烏			何首烏（蔓蕺草）とも
ショウウイキョウ	小茴香
ショウキョウ	生姜	局14	Zingiberis Rhizoma
ショウグン	将軍
ジョウザン	常山
ショウズク	小豆蔲	局14	Cardamomi Fructus
ショウバク	小麦		Tritici Semen
ショウブコン	菖蒲根
ショウマ	升麻	局14	Cimicifugae Rhizoma
砂仁	商陸			インドヤマモモか
ショウリコン（中国語版、ドイツ語版）	小薊根			刺児菜か
ショウレンギョウ	小連翹
ショクショウ	蜀椒
ジョテイシ	女貞子
ショヨ	薯蕷
ジリュウ	地竜
シンイ	辛夷	局	Magnoliae Flos
シンキク	神麹
ジンコウ	沈香
スイカズラ	吸葛			ニンドウに同じ
スイテツ	水蛭
スギナ	杉菜
スサ	朱砂			スサに同じ
ステビア			Stevia
セイコウ	青蒿
セイフウトウ（中国語版）	清風藤
セイヨウトチノキ	西洋栃ノ木
セキサン	石蒜
セキショウ	石菖
セキショウコン	石菖根
セキショウシ	石松子
セキショウブ	石菖蒲
セキナン	石南
セキナンヨウ	石南葉
セキリュウカヒ	石榴果皮
セキリュウヒ	石榴皮
セッコウ	石膏	局	Gypsum Fibrosum
セッコク	石斛
セッコツボク	接骨木
セネガ		局14	Senegae Radix
センカクソウ（中国語版）	仙鶴草
センキュウ	川芎	局14	Cnidii Rhizoma
ゼンコ（中国語版、ドイツ語版）	前胡	局
ゼンコ	全胡		Peucedani Radix
センコツ	川骨	局14	Nupharis Rhizoma
センソ	蟾酥	局14	Bufo bufo gargarizans Cantor
センタイ	蝉退、蝉蛻		Cicadae Periostracum
センナ		局14	Sennae Folium
センプクカ（中国語版、朝鮮語版）	旋覆花
センブリ	千振	局14	Swertiae Herba
センボク	川朴
センレン	川連
ソウオウ	桑黄
ソウキセイ	桑寄生
ソウキョウ	皀莢
ソウケツメイ	草決明			エビスグサか（種子は決明子）
ソウジツ	葱実
ソウジュツ	蒼朮	局14	Atractylodis Lanceae
ソウニン	棗仁
ソウハクヒ	桑白皮	局14	Mori Cortex
ソウヨウ	桑葉
ソシ	蘇子
ソボク	蘇木	局	Sappan Lignum
ソヨウ	蘇葉	局14	Perillae Herba
ダイウン	大蕓			肉蓯蓉に同じ
ダイオウ	大黄	局14	Rhei Rhizoma
タイサン	大蒜		Allium sativum	ニンニク
タイシャセキ	代赭石
タイソウ	大棗	局14	Zizyphi Fructus
ダイフクヒ	大腹皮
タイマ	大麻
タクゴ
タクシャ	沢瀉	局14	Alismatis Rhizoma
ダツラ			Datura
タラコンピ	楤根皮
タラノキ
タラボクヒ	楤木皮
ダンコウ	檀香
タンジン	丹参
タンピ（中国語版）	丹皮			牡丹皮の別称
タンチクヨウ	淡竹葉
チガヤ	茅根	局
チクジョ	竹茹		Bambusae Caulis, Phyllostachysis Caulis
チクジン	竹参
チクレキ	竹癧
チクセツサンシチ	竹節三七
チクセツニンジン	竹節人参	局14	Panacis Japonici Rhizoma
チクヨウ	竹葉
チモ	知母	局14	Anemarrhenae Rhizoma
チャヨウ	茶葉		Camelliae Folium
チユ	地楡
チュウホウ	丑宝			牛黄に同じ
チョウコウ	丁香			チョウジに同じ
チョウジ	丁字	局14	Caryophylli Flos
チョウセンニンジン	朝鮮人参
チョウトウコウ	釣藤鈎	局	Uncariae Uncis Cum Ramulus
チョレイ	猪苓	局14	Polyporus
チンピ	陳皮	局14	Aurantii Nobilis Pericarpium
ツウソウ	通草			木通に同じ
ツキミソウ	月見草
テンカフン	天花粉
テンダイウヤク	天台烏薬			烏薬に同じ
テンナンショウ	天南星		Arisaematis Rhizoma
テンマ	天麻		Gastrodiae Rhizoma	オニノヤガラか
テンモンドウ	天門冬		Asparagi Radix
トウガシ	冬瓜子		Benincasae Semen
トウガニン	冬瓜仁
トウガラシ	唐辛子	局14	Capsici Fructus
トウキ	当帰	局14	Angelicae Radix
トウゴマ	唐胡麻
トウジン	党参	局
トウシンソウ	燈芯草
トウチュウカソウ	冬虫夏草
トウドウ	天冬
トウニン	桃仁	局14	Persicae Semen
トウヒ	橙皮	局14	Aurantii Pericarpium
トウヤク	当薬		Swertiae Herba	センブリに同じ
ドコッピ	土骨皮
トコン	吐根	局14	Ipecacuanhae Radix
トシシ	菟絲子
トチュウ	杜仲	局	Eucommiae Cortex
ドッカツ	独活	局	Araliae Cordatae Rhizoma
ドベッコウ	土鼈甲
ドモッコウ（中国語版、ドイツ語版）	土木香
トラガント		局14	Tragacantha
ナンテン	南天
ナンテンジツ	南天実
ナンテンヨウ	南天葉
ナンバンゲ（ナンバンモウとも）	南蛮毛
ニガキ	苦木	局14	Picrasmae Lignum
ニクシュヨウ/ニクジュヨウ	肉蓯蓉			大蕓とも
ニクズク	肉荳蔲	局
ニュウコウ	乳香
ニョテイシ	女貞子
ニンジン	人参	局14	Panacis Ginseng Radix
ニンドウ	忍冬	局	Lonicerae Folium Cum Caulis
ニンドウカ	忍冬花			金銀花に同じ
ニンニク	大蒜
ヌルデ	白膠木			五倍子に同じ
ノイバラ	野茨、野薔薇			営実に同じ
ノダケ	野竹
バイケイソウ	梅蕙草
バイモ	貝母	局	Pulsatilla chinensis
ハクトウオウ	白頭翁
バクガ	麦芽		Hordei Fructus Germinatus
ハクシニン	柏子仁
バクドウ	麦冬
バクモンドウ	麦門冬	局14	Ophiopogonis Tuber
ハクバン	白礬
ハコシ	補骨脂			破胡紙、補骨鴟、黒故子とも表記
ハコベ	蘩蔞
バショウコン	芭蕉根
ハズ	巴豆		Crotonis Semen
蜂蜜	蜂蜜	局
ハッカ	薄荷	局14	Menthae Herba
バッカク	麦角
ハックツサイ	白屈菜
ハブチャ	ハブ茶
ハマジシャ	浜萵苣
ハマチャ	浜茶
ハマボウフウ	浜防風	局14	Glehniae Radix Cum Rhizoma
バンキョウ	蕃杏
ハンゲ	半夏	局14	Pinelliae Tuber
バンコウカ	番紅花	局14
バンショウ	蕃椒
バンセキリュウ	蕃石榴
ハンピ	反鼻
バンランコン（中国語版、ドイツ語版）	板藍根
ハンロウ	蘩蔞
ヒガンバナ	彼岸花
ヒシノミ	菱の実
ヒマシ	蓖麻子
ヒマシユ	蓖麻子油
ビャクキョウサン	白強蚕
ビャクゴウ	百合	局	Lilii Bulbus
ビャクシ	白芷	局14	Angelicae Dahuricae Rhizoma
ビャクジュツ	白朮	局14	Atractylodis Rhizoma
ビャクダン	白檀
ビャッキュウ	白及
ビワヨウ	枇杷葉	局	Eriobotryae Folium
ビンロウジ	檳榔子	局14	Arecae Semen
フェンネル			Foeniculum	ウイキョウに同じ
フクジュソウコン	福寿草根
フクボンシ	覆盆子
ブクリュウカン（中国語版）	伏竜肝
ブクリョウ	茯苓	局14	Hoelen
ブシ	附子	局	Aconiti Rhizoma
フジコブ	藤瘤
プルーン
ベッコウ	鼈甲			土鼈甲に同じ
ベニサラサ	紅更紗
ベニバナ	紅花	局
ベラドンナコン	ベラドンナ根	局14	Belladonnae Radix
ベラドンナヨウ	ベラドンナ葉
ヘンズ	扁豆
ボウイ	防已	局14	Sinomeni Caulis et Rhizoma
ボウコウナン	望江南
ボウコン	茅根	局14	Imperatae Rhizoma
ボウショウ	芒硝		Natrii Sulfus
ボウフウ	防風	局14	Glehniae Radix cum Rhizoma
ホオウ	蒲黄
ホクシャジン	北沙参
ボクソク	樸樕	局	Quercus Cortex
ホコウエイコン	蒲公英根
ホコツシ（中国語版、英語版）	補骨脂
ボタンピ	牡丹皮	局14	Paeoniae Moutan Cortex
ホミカ	馬銭（まちん）	局14	Nux vomica
ボレイ	牡蛎	局14	Crassostreae Testa
マオウ	麻黄	局14	Ephedrae Herba
マクリ	海人草	局14	Digenea	カイニンソウに同じ
マシニン	麻子仁	局	Cannabis Fructus
マタタビ	木天蓼			モクテンリョウに同じ
マンケイシ	蔓荊子
ミツロウ	蜜蝋
ミルラ				モツヤクに同じ
ムカカ	無花果			イチジクに同じ
ムカカヨウ	無花果葉
ムイラプアマ
メグスリノキ	目薬木
メンマ	綿馬
モクキンカ	木槿花
モクキンピ	木槿皮
モクゾク	木賊
モクツウ	木通	局14	Akebiae Caulis	アケビに同じ
モクテンリョウ	木天蓼			マタタビに同じ
モクレン	木蓮、木蘭
モッカ	木瓜
モッコウ	木香	局14	Saussureae Radix
モツヤク	没薬
モンケイ	問荊
ヤーコン			Radix Smallanthus sonchifolius
ヤカン	射干
ヤクチ	益智	局14	Alpiniae Fructus
ヤクモソウ	益母草	局	Leonuri Herba
ヤクヨウニンジン	薬用人参			オタネニンジンに同じ
ヤマノイモ	山芋			サンヤクに同じ
ユウオウ	雄黄
ユウタン	熊胆		Fel Ursi
ユキノシタ	虎耳草
ヨウバイヒ	楊梅皮
ヨクイ	薏苡		Coicis
ヨクイニン	薏苡仁	局14	Coicis Semen
ライコウトウ（中国語版、英語版、ドイツ語版）	雷公藤
ライフクシ	莱服子			ダイコンに同じ
ラカンカ	羅漢果		Fructus Momordicae
ラフマ	羅布麻
ランオウ	卵黄
ランソウ	蘭草
リタン	鯉胆
リュウガンニク	竜眼肉	局	Longan Arillus
リュウコツ	竜骨	局14	Fossilia Ossis Mastodi
リュウタン	竜胆	局14	Gentianae Scabrae Radix
リョウキョウ	良姜		Alpiniae Officinari Rhizoma
レイシ	霊芝
レイヨウカク	羚羊角
レンギョウ	連翹	局14	Forsythiae Fructus
レンセンソウ	蓮銭草
レンニク	蓮肉	局	Nelumbis Semen
ロートコン	ロート根	局14	Scopoliae Rhizoma
ロカイ	蘆薈
ロクジョウ	鹿茸
ロジン	松脂（まつやに）	局14	Resina Pini	松香とも
ワコウホン	和藁本
ワキョウカツ	和羌活		Araliae Cordatae Radix
ワモッカ	和木瓜

註）局14は第14改定日本薬局方二部収載品

生薬製剤の一覧

生薬製剤一覧（しょうやくせいざいのいちらん、list of galenical preparation）には、生薬のうち日本の医薬品である、『日本薬局方』第14改正第二部に収載されている生薬製剤の一覧を示す。目次

1ア行	o 1.1ア
o 1.2ウ・エ	o 1.3オ
2カ行	o 2.1カ
o 2.2キ	o 2.3ク
o 2.4ケ	o 2.5コ
3サ行	o 3.1サ
o 3.2シ	o 3.3セ
o 3.4ソ	4タ行
o 4.1タ	o 4.2チ
o 4.3ト	5ナ行
6ハ行	o 6.1ハ
o 6.2ホ	7マ行
o 7.1モ	8ヤ行
o 8.1ヨ	9ラ行
o 9.1リ	o 9.2ロ
ア行	ア
アセンヤク末	アヘン
アヘン末	アヘン散
アヘンチンキ	塩酸アヘンアルカロイド
塩酸アヘンアルカロイド注射液	アヘンアルカロイド・アトロピン注射液
アヘンアルカロイド・スコポラミン注射液	弱アヘンアルカロイド・スコポラミン注射液
アヘン・トコン散

生薬

さまざまな生薬

生薬のひとつ「紅花」

陳皮（ミカンの皮を乾燥させたもの）

生薬（しょうやく、きぐすり、英: Crude Drugs）は、天然に存在する薬効を持つ産物から有効成分を精製することなく体質の改善を目的として用いる薬の総称。生薬の大半は植物由来のものであるが、動物や鉱物などに由来するものもある^[1]。世界各地の伝統医学で多くの生薬が用いられている。

漢方薬は、生薬であるが漢方医学に基づいたものであり同一の概念ではない^[2]。

1概要	2種別	3生薬の加工
o 3.1加工の目的	§ 3.1.1薬剤として不要な部分を除去する	§ 3.1.2長期保存
§ 3.1.3成分を変化させる	§ 3.1.4抽出しやすくする	o 3.2加工の方法
§ 3.2.1機械的な方法	§ 3.2.2火を使う方法	§ 3.2.3水を使う方法
§ 3.2.4水と火を使う方法	§ 3.2.5その他の方法	4生薬の収集
5生薬と医薬品	6医薬品として利用される主な生薬（植物）

概要

人が生薬を使い始めたときは1種類（いわゆる単味）の生薬を用いていた^[3]。これらは例えば柴胡は熱を下げる、杏仁は咳を止めるといった簡単な知識の集積となった^[3]。しかし、漢書『芸文志』ですでに指摘されているように、病気は、季節、気候、風土、体質などの遺伝的要因の影響を受け、他の病と併発するなど複雑化することもある^[3]。そこで2種類以上の生薬を組み合わせて用いられるようになった^[3]。

日本における生薬は、漢方処方や民間伝承の和薬などの東洋医療で用いられる天然由来の医薬品すべてであるが、漢方医学の影響が大きいため、生薬と漢方薬が同一視される場合も多く、混乱を招いている。生薬は漢方医学以外にも、民間薬として単独で使用する機会もあるが、漢方薬は複数の生薬を漢方医学の理論に基づいて組み合わせた処方で配合比率も厳格に決められており決して同一ではない^[1][2]。

江戸時代に、生薬は漢方薬の原料という意味で薬種（やくしゅ）とも呼ばれており、鎖国下においても、長崎貿易や対馬藩を通じた李氏朝鮮との関係が維持された背景には、山帰来・大楓子・檳榔子・朝鮮人参などの貴重な薬種の輸入の確保という側面もあった^[4]。輸入された薬種は薬種問屋・薬種商を通じて日本全国に流通した。

種別

生薬となる天然産物には、植物由来のもの（薬用植物）、動物由来のもの、菌類由来のもの、そして鉱物由来のものが含まれる。そして多くの場合は煎じ薬やエキス剤、チンキ剤など、加工してから薬品として用いる。まれに、貼薬のように原体をそのまま使う場合もある。西洋医学のように注射剤として用いるものはなく、経口剤か貼薬として服用するのである。

生薬は天然物であることから、含有されている薬効成分は一定ではなく、同じ植物であっても、産地や栽培方法、あるいは作柄によっても成分が変わる場合も多い。たとえば薬用人参では、朝鮮半島産のものは「朝鮮人参」や「高麗人参」と銘打たれて重宝されるが、朝鮮半島より導入した国産のものは、「御種人参」（オタネニンジン）と呼ばれ、格が下がるとみなされている。

また、昨今の天然物資源への注目もあいまって、生薬から得られた成分をもとに医薬品が作られる場合も多い。植物資源（薬用植物）がその対象となることが多く、最も古い例としてはアヘンから得られたモルヒネがある。

生薬の加工

生薬は、摘み取ったり掘り出したりしたままで使えるわけではない。泥を落とすことや日干しにすることなども含めると、何らかの加工を行わなければ使用できない生薬がほとんどである。本節では、中医学で行われる修治（しゅうち）、炮製（ほうせい）を中心に取り上げる。

加工の目的

薬剤として不要な部分を除去する

収穫したばかりの薬草には、泥、枯れ葉、他の植物、虫などの不要物が付着している。また、全草を用いる生薬は稀で、大多数の植物生薬では、薬効成分の多い一部のみが使われ（人参は根、粳米は実というように）、他の部分は廃棄または薬用以外の用途に利用される。このように、不純物を可能な限り減らし、厳密な計量に耐えるようにしないと、生薬に含まれる薬効成分の量が推測できず、結果として、処方という行為自体が意味を成さないことになる。

長期保存

薬草の組織に水分が含まれていると、重量や容積が大きく、品質が安定せず、また腐敗やカビが発生しやすい。このままでは、遠隔地に出荷することはできない。この問題へのもっとも原始的な対処法は、天日に干すことである。含まれている酵素によって、収穫すると薬効成分が崩壊してしまう生薬もある。このようなものは、収穫したら速やかに熱を加え、酵素を失活させなくてはならない（この点については、緑茶や紅茶の製法についても参照されたい）。また、長期保存には、除去し切れなかった昆虫、微生物などを殺す加工も必要である。

成分を変化させる

生薬によっては、成分そのものが、収穫したままでの使用に耐えないこともある。附子など猛毒のものは、弱毒処理を行わなければ危険きわまりない。巴豆の種子は大量の油脂を含むため、そのまま投与すると激しい下痢を起こしてしまうので、ぎりぎりまで油を絞ったかすを用いなければならない。また、地黄のように、生のものと加工されたものに、別々の薬効を期待する生薬も存在する。

抽出しやすくする

が固く、溶けにくいため、何らかの加工を行い、溶媒（水とは限らない）に溶けやすく、人体に吸収しやすくする必要がある。細かく砕いたり、加熱して組織を壊したり、薬品に漬け込んだりすることが行われている。

加工の方法

薬研

機械的な方法[

選薬（せんやく）

生薬として必要のない部分を取り除く前処理。

粉砕（ふんさい）

搗き潰したり、磨り潰したりする。

切製（せっせい）

規格の大きさに切断する。

火を使う方法

煨（わい）

泥団子か練った小麦粉で包み、熱灰の中で加熱する。

煆（たん）

るつぼに入れて焼き、脆くする。

炮（ほう）

鉄の鍋で黄色くなるまで、あるいは破裂するまで乾煎りする。

炒（しゃ）

炒める。

炙（しゃく）

薬物を液体の補助材料（酒、塩水、蜂蜜など）と一緒に炒め、補助材料を染み込ませる。

烘烤（こうこう）

炙り焼き。

焙（ばい）

とろ火で乾燥させる。

水を使う方法[

洗（せん）

水洗い。

漂（ひょう）

水に晒して不純物を除去する。

泡（ほう）

形を整えるための前加工として、水に浸して柔らかくする。

潤（じゅん）

霧を吹く。

水飛（すいひ）

水簸とも書く。細かく研磨してから水で洗い、沈殿させる。

水と火を使う方法

蒸（じょう）

蒸す。水以外の液体で蒸すこともある。

煮（しゃ）

煮る。

茹（じょ）

茹でる。

淬（すい）

赤熱するまで焼き、水か酢で急冷する。

その他の方法

発芽（はつが）

種子に水分を与え、芽の状態にまで育てる（麦芽など）。

発酵（はっこう）

温度や湿度を管理して、微生物を繁殖させる。

製霜（せいそう）

油を絞り、細かくする（巴豆など）。

生薬の収集

生薬の保存に関しては、富山大学和漢医薬学総合研究所が中国医学および日本漢方で使われる生薬、インド医学薬物、チベット薬物、モンゴル薬物、インドネシア薬物、タイ古医学薬物、ユナニー薬物など2万6000点以上保存し、世界第一の保存数である。^[5]

生薬と医薬品

日本において、生薬は、医薬品医療機器等法によって医薬品として扱われるものと、食品として扱われるものの2種類に分類される。前者の製剤化されたものは生薬製剤であり、後者は健康食品である。

日本の医薬品医療機器等法では、生薬も医薬品として扱っており、ヨーロッパでもドイツなどでは医薬品である。一方、アメリカ合衆国では『薬局方』に生薬が収載されているにもかかわらず、生薬から精製した有効成分は医薬品として認めるものの、その原料である生薬自体は医薬品として認めていない。そのため、生薬を指して未精製薬 (Crude Drug) と呼び表したり、民間伝承で用いられる場合などでは「薬用ハーブ (herbal medicine)」と呼び表すことも多い。

日本における公定医薬品書である『第15改正日本薬局方』（2006年）では、生薬と生薬製剤および漢方エキスが「生薬等」に収載されており、『薬局方』に記載された方法で検定したものが医薬品として使用される。すなわち、生薬のすべてが『日本薬局方』で認められているわけではない。

ヨーロッパでは、伝統生薬製剤の欧州指令によって、医薬品として認可されている生薬製剤がある。ヨーロッパでは医薬品と扱われる一方、日本ではサプリメントとして販売されているものがある。

日本では、20世紀からの生薬製剤に加え、日本国外で一般用医薬品として利用されている西洋ハーブの生薬製剤を、日本で一般用医薬品として承認申請する際に、2007年（平成19年）より、海外のデータを利用して承認申請を省略できることが認められた^[6]。これにより2011年（平成23年）には、足のむくみを適応とした、赤ブドウ葉乾燥エキス混合物（新有効成分）配合の医薬品が初めて承認された。

また、健康食品として扱われているため外国からの個人輸入も多く、成分や濃度もさまざまであり、ブラックコホシュを調査した例では、近縁種を誤って錠剤にした例も確認された。^[7][8]

医薬品として利用される主な生薬（植物）

植物名、生薬名	成分名	薬理作用
インドジャボク	アジュマリン	抗不整脈
インドジャボク	レセルピン	血圧降下
ロートコン、ベラドンナコン	アトロピン	副交感神経遮断
ロートコン、ベラドンナコン	スコポラミン	副交感神経遮断
オウレン、オウバク	ベルベリン	健胃、整腸
茶、カカオ、コーヒーノキ	カフェイン	中枢興奮、利尿
楠	d-カンファー	局所刺激、強心
コカノキ	コカイン	局所麻酔
アヘン	コデイン	鎮痛、鎮咳
アヘン	モルヒネ	鎮痛
アヘン	ノスカピン	鎮咳
アヘン	パパベリン	鎮痙
イヌサフラン	コルヒチン	抗痛風
ジギタリス	ジゴキシン	強心、整脈
ジギタリス	ジギトキシン	強心、整脈
マオウ	エフェドリン	交感神経興奮
麦角菌	エルゴメトリン	子宮収縮、止血
麦角菌	エルゴタミン	鎮痛、子宮収縮
マクリ	カイニン酸	回虫駆除
アンミ実	ケリン	冠動脈拡張
ハッカ	l-メントール	消炎
カラバル豆	フィゾスチグミン	抗コリンエステラーゼ
ヤボランジ	ピロカルピン	副交感神経興奮
キナノキ	キニジン	抗不整脈
キナノキ	キニーネ	抗マラリア
ミヨブヨモギ	サントニン	回虫駆除
ストロファンツス	G-ストロファンチン	強心、整脈
タチジャコウソウ	チモール	殺菌（外用）
クラーレノキ	ツボクラリン	骨格筋弛緩