ST22.関門(かんもん)


取穴部位:天枢穴の上3寸、建里穴の外2寸、神闕穴の高さより上3寸で正中線から外方2


筋肉:腹直筋


運動神経:肋間神経


知覚神経:肋間神経前皮枝


血管:肋間動脈上腹壁動脈下腹壁動脈

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『関門』かんもん足の陽明胃経 ( ST22

天枢穴の上3寸、建里穴の外2寸に取る。

解剖学的データ

筋肉

腹直筋 (ふくちょくきん)

恥骨の恥骨結合部および恥骨結節上縁から起こり、第5~第7肋軟骨と剣状突起に停止する筋肉。主に体幹部を屈曲・回旋・側屈させる働きがあり、呼吸にも関与する。

運動神経

肋間神経 (ろっかんしんけい)

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

知覚神経

肋間神経 (ろっかんしんけい)

胸神経前枝のことで、肋間動静脈とともに肋間を走行する神経。肋間神経からは、外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋・肋下筋・胸横筋・内腹斜筋・外腹斜筋・腹横筋・腹直筋・錐体筋・肋骨挙筋・上後鋸筋・下後鋸筋を支配する筋枝が出る他、前胸部から体表に出て知覚を司る前皮枝、体幹の外側で体表に出て知覚を司る外側皮枝が分岐する。第2もしくは第1・第3肋間神経外側皮枝は肋間上腕神経の一部となる。

血管

肋間動脈 (ろっかんどうみゃく)

最上肋間動脈・胸大動脈から起こり、肋骨の下縁(肋間)に沿って走る動脈のこと。肋間動脈の起始部近くからは背枝が出ており、さらに背筋を栄養する筋枝、脊髄を栄養する脊髄枝、背部の皮膚を栄養する皮枝に分かれる。また肋間動脈が内肋間膜を貫通すると側副枝が出ており、下位の肋骨の上縁に沿って走る。胸郭の外側部では外側枝が出ており、さらに前枝と後枝に分かれ胸郭外側壁の皮膚に栄養するが、前枝からは乳腺枝が出て乳腺も栄養する。

 

上腹壁動脈 (じょうふくへきどうみゃく)

内胸動脈から起こり、腹直筋の後面を下行し、臍の高さで外腸骨動脈の枝である下腹壁動脈と吻合する動脈。主に腹部の筋肉や横隔膜の一部を栄養している。

 

下腹壁動脈 (かふくへきどうみゃく)

外腸骨動脈から起こり、下腹を上行したのち臍の上で上腹壁動脈と交通する動脈。主に腹直筋などを栄養している。

主治・対象疾患

腹部の脹り

腹痛

腹鳴

下痢

便秘

むくみ

尿漏れ

胃けいれん

胃炎

胃カタル

胃アトニ―

胃下垂

肝炎

肝臓疾患

胆嚢

胆石

十二指腸潰瘍

食欲不振

 

ST22 関門 Guanmen かんもん

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所属経

足の陽明胃経

定位

 

主治

 

横並び覚え方

 

『鍼灸大成』考正穴法
関門:梁門下一寸、去中行各三寸。『銅人』鍼八分、灸五壮。
主善満積気、腸鳴卒痛、泄利、不欲食、腹中気走、侠臍急痛、身腫、痰瘧振寒、遺溺。

 

『甲乙経』巻三腹自不容俠幽門兩傍各一寸五分至氣衝凢二十四穴第二十一
關門、在梁門下、太乙上、足陽明脉中間穴外延、足陽明脉氣所發、刺入八分、灸五壯。

足陽明胃経 ST22関門
実体感

位置:上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方2寸

関門

画像1

胸腹神経, 腰背部痛, 足陽明胃経

関門(かんもん)gogyoan

 

ST22)関門(guan1men2)(かんもん)

【取穴】

上腹部、臍中央の上方三寸、前正中線の外方二寸。

 

・筋肉:腹直筋鞘 Rectus sheath

 

・運動神経:胸腹神経(T9Thoracoabdominal nerves

 

・知覚神経:胸腹神経前皮枝(T9 Anterior cutaneous branches of Thoracoabdominal nerves

 

・血管:肋間動脈 Posterior intercostal artery・上腹壁動脈 Superior epigastric artery・下腹壁動脈 Inferior epigastric artery

 

KI18)石関、CV11)建里と同じ高さで、それらの外方にある。

 

【名の由来】

本穴が胃気の出入り口であり、交通の関所を為す事から。

 

【作用】

〔瀉〕調理胃気

 

【弁証主治】

◆足陽明経病

 

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

 

【主症主治】

しゃっくり・食欲不振・※伏梁・胃もたれ・胆石・腰痛・水様の下痢・尿漏れ

 

【私見】

・「門」の付く経穴は、病症の表れる処であり、治療の要点でもある。

 

・個人的には、「関」の付く経穴は、筋骨格系の疼痛に有効なように感じる。本穴に関しては、得気が背部の「筋縮」付近に走ることから、体幹回旋時に生じる腰痛に対して有効かと思う。

 

※心積伏梁…五積之一。臍上から心窩部にかけて大きなしこりが在り、慢性化する。顔が赤い・喉が渇き、唾に血が混じる・動悸・胸苦しさ・お腹の中の熱感・掌のほてり・脈沈芤。悪化すると痙攣をおこすことも。