単球

タンキュウ

【英】monocyte

【独】Monozyt

【仏】monocyte

 

単球は白血球*の一種で,約5%を占める.白血球の中で最も大きく,核形が種々の程度に陥凹傾向を示すことが特徴的である.細胞形質*は淡青色で,中に微細なアズール顆粒*がみられる.非特異的エステラーゼ染色でびまん性に強陽性,ペルオキシダーゼ染色には弱陽性を示す.単球は骨髄で産生され,最も未熟なものは単芽球monoblastと呼ばれる.単球は遊走能,貪食能および粘着能がさかんであるが,本来の機能はむしろマクロファージ*(大食細胞)macrophageに変化してから発揮される.名前の通り貪食能が旺盛で,網内系の主要な細胞として老廃物(血球など),異物(細菌など)を貪食し,処理をする.そのほか,免疫反応の引き金になったり,顆粒球*や単球の産生刺激因子を分泌するなど,さまざまの機能をもっている.なお,単核細胞あるいは単核球mononuclear cellは,円形に近い核を有する白血球という意味で,リンパ球と単球の総称名であり,また伝染性単核球症の単核球とは主として異型リンパ球のことをさす.