ミカエリス・メンテンの式

ミカエリスメンテンノシキ

【英】MichaelisMenten equation

【独】MichaelisMenten Gleichung

【仏】e´quation de MichaelisMenten

 

酵素反応*の初速度と基質濃度の間の関係を示す式(ミカエリス・メンテンMichaelisMenten, 1913).この考えによれば,次式のように,酵素(E)はまず基質(S)と結合して酵素・基質複合体(ES complex)を形成した後,Eと生成物(P)に分解する.

→式1

 

(ここで,k+1, k-1, k+2は各段階の速度定数)

酵素反応の初速度

→式2

定常状態では,ESの生成と分解の速度は等しいので,

k+1〔E〕〔S〕=(k-1+k+2)〔ES

これを変形して,

→式3

 

ここで

→式4(ミカエリス定数)とおくと,

 

→式5

 

通常,酵素に比べて基質の方が圧倒的に高濃度であるので,Eと結合するSの量は,Sの総濃度に比べて無視できる.一方,全酵素濃度〔ET〕=〔E〕+〔ES〕,これを2式に入れて,

→式6

 

変形すると,

→式7

 

を得る.これを1式に代入すると,

→式8

 

一方,酵素が基質によって飽和するとき最大速度,Vとなり,これは,Vk+2〔ET〕と表せる.これを3式に代入すると,

→式9

 

が得られる.これがミカエリス・メンテンの式である.実験的にV, Kmを求める方法にはラインウィーバー・バークの式*がある.(Leonor Michaelisはドイツ生まれのアメリカの化学者,18751949Maud Lenore Mentenはアメリカの医師,18791960).