コリメータ

コリメータ

【英】collimator

【独】Kollimator

【仏】collimateur

 

一般には望遠鏡などの視準儀をいうが,核医学分野では放射線検出器の前面にとりつけて放射線の入射方向を規定する用具のことをさす.とくにガンマカメラ*の検出器では目的に応じてさまざまな形式のものが使われている.平行多孔コリメータparallel hole collimatorは鉛などの重金属の板に多数の孔を平行にあけたもので,コリメータからの距離に無関係に実物大の像が得られる.高エネルギーγ線を測定対象にしたものほど,コリメータが厚く,その孔の径および隔壁の厚さが大きい.高解像力のものほど孔の径が小さく,隔壁が薄く,かつコリメータの厚さがある.ピンホール型コリメータpinhole collimatorは鉛製の円錐の頂点に小さな孔を1個あけたもので,孔の部分には密度の大きいタングステン合金を用いている.得られる像の大きさは孔と被写体との距離に正比例するので,この距離を変えることによって像の拡大または縮小が可能である.このコリメータは感度が低いという欠点がある.ほかに斜孔平行型,ダイバージング型,コンバージング型などがある.