血小板

ケッショウバン

【英】plateletPLT

【独】Blutpla¨ttchen

【仏】plaquette

同義語:栓球thrombocyte

 

血小板は,白血球*,赤血球*とともに,血液中の不可欠な細胞である.哺乳類ではヒトを含めて,巨核球(骨髄)‐血小板(末梢血)系としてユニークな成熟,分化過程をたどる.すなわち骨髄巨核球の分離膜形成により細胞質が分離されて末梢血には血小板として放出される.このとき,ミトコンドリア*,リボソーム*,マイクロチュブルスなど核以外のすべての細胞微小器官を含んでいて,活発な糖,グリコーゲン代謝,脂質代謝,プロスタグランジン,サイクリックヌクレオチド代謝を行うとともに,骨格タンパクの作動によって顆粒の分泌機能を遂行している.さらに骨格タンパクは,血小板表面のレセプター発現にも参加して,血小板凝集・粘着能を発揮して,血栓形成を完成させる.血小板から分泌される物質にはセロトニン*(濃染顆粒),トロンボキサンなど血管作動物質のほかに,α顆粒中のフィブリノーゲン*やPDGFplatelet derived growth factor;血小板由来増殖因子*), EGFepidermal growth factor;上皮成長因子)など成長因子もあって,血管平滑筋細胞,フィブロブラスト(線維芽細胞*)などの増殖,コラーゲン合成を促して血管の修復,さらに動脈硬化症*の発症にもかかわっている.