血管内膜炎

ケッカンナイマクエン

【英】endoangitis

【独】Endangiitis

【仏】endange´ite

【ラ】endoangitis

 

細菌感染による急性血管炎として動脈内膜炎endoarteritisと静脈内膜炎endophlebitisがある.周囲組織の炎症から血管内に感染が及ぶことは少ないが,カテーテルの留置など医原性のものがみられる.内膜炎は高率に血栓形成を誘発し,血栓性動脈炎thromboarthritisあるいは血栓性静脈炎thrombophlebitisとなることが多い.慢性動脈炎としては,閉塞性動脈内膜炎endoarteritis obliteransがあり,胆嚢炎,胃潰瘍,結核,珪肺,静脈瘤などにおける慢性炎症病巣周辺の小動脈にみられ,血管内膜の肥厚により閉塞をきたす.閉塞性血栓血管炎thromboangiitis obliteransTAO)は青壮年男子の四肢末梢動脈に好発する原因不明の慢性血管内膜炎であり,バージャー病*Buerger's diseaseともいわれる.繰り返す静脈炎(逍遥性静脈炎thrombophlebitis migrans)を随伴することが多く,動脈内腔は血栓閉塞して肢に虚血症状を呈する.中東,アジアに多く,喫煙,自己免疫疾患*との関連がいわれている.