乾癬
カンセン2
【英】psoriasis
【独】Psoriasis
【仏】psoriasis
慢性再発性難治性の炎症性角化症.典型疹は境界が明確な紅斑上に厚い鱗屑を付着する.臨床像,合併症から尋常性乾癬*,滴状乾癬guttate psoriasis,膿疱性乾癬*,関節症性乾癬arthropathic psoriasis,乾癬性紅皮症psoriatic erythrodermiaに分類される.初発年齢は,20歳前後に大きなピーク,60歳代に小さなピークがある.発生頻度に人種差があり,白人に多い.アメリカの白人で人口の約2%,わが国では0.02~0.05%.欧米では家族内発生例も多い.発症原因は不明だが,人種を問わずHLA抗原*,HLA‐A1, B13, BW16, B17, B37, CW6, DR7をもつヒトに発症頻度の高いことから,遺伝学的基盤の関与が示唆される.典型疹の病理組織像は表皮の増殖性肥厚と顆粒層の消失を伴った錯角化形成.真皮乳頭の血管腔の拡張と同部からの白血球の表皮内,角質層への遊走により形成される微小膿瘍.組織像よりその発症に角化過程の異常,免疫学的異常の関与が考えられている.