ヘキソキナーゼ
ヘキソキナーゼ
【英】hexokinase(HK)
解糖系の最初の反応を触媒する酵素で次の反応を触媒する.D‐ヘキソース+ATP→D‐ヘキソース 6‐リン酸+ADP. 動物酵素にはI~IV型の4種存在するが,この中で,IV型はグルコースに高いKm(ミカエリス定数*)をもち,グルコースへの特異性が高いのでグルコキナーゼ*とも呼ぶ.各種生物に広く存在し,解糖とグリコーゲン合成の速度を調節する.基質になるヘキソースには,グルコース,フルクトース,マンノース,2‐デオキシグルコース,グルコサミンなどがある.ATPに対する特異性も高いが,ITPともゆっくり反応する.大部分は細胞質可溶分画に存在.脳組織ではミトコンドリア*に結合して存在.分子量は96,000(I‐III型)で等価四量体であり,グルコース 6‐リン酸で強く阻害される.酵母酵素にはA, Bの2種のアイソザイムがあり,二量体でα, βの2種のサブユニットがある.グルコース6‐リン酸で阻害されない.