ギムザ染色
ギムザセンショク
【英】Giemsa stain
【独】Giemsa‐Fa¨rbung
【仏】coloration de Giemsa
ギムザ染色は,血液および骨髄塗抹標本の普通染色法の中で最も基本的な染色である.染色色素として,アズールIIとアズールII・エオジンを含む.アズールIIは塩基性色素で,酸性すなわち好塩基性物質(核のDNA,細胞質のRNA,アズール顆粒など)を青紫色に染める.一方,アズールII・エオジンの中のエオジンは酸性色素で,塩基性すなわち好酸性物質(ヘモグロビン,好酸性顆粒など)を赤橙色に染める.血球の中の物質および構造は,この両色素に染色されて,各血球に特徴的な染色像を呈する.〔方法〕まず塗抹標本をメタノールで1~3分間固定後,リン酸緩衝液(pH 6. 4)で希釈したギムザ液に浸し,室温で15~30分間染色後,流水で十分水洗する.ギムザ染色だけでは顆粒の染色性があまりよくないので,ライト染色法*やメイ・グリュンワルド染色法*などと組み合わせた複染色を行うと,よりすぐれた染色像が得られる(Gustav Giemsaはドイツの化学者,細菌学者,1867‐1948).