フォン ウィレブランド病
フォンウィレブランドビョウ
【英】von Willebrand's disease(vWD)
【独】von Willebrand‐Krankheit
von Willebrandが1926年フィンランド沖のÅland島で特異な出血傾向の家系について報告したのが始まりである.遺伝は多くは常染色体性優性遺伝であるが,常染色体性劣性遺伝例も認められる.症状は紫斑,鼻出血,歯肉出血,粘膜出血その他の表在性の出血が多く,また血便,消化管出血,性器過剰出血などもある.検査所見では血小板数正常,出血時間延長,血小板粘着能の低下,第VIII因子の凝固活性(VIII:C),第VIII因子関連抗原(VIIIR:AG)の低下,リストセチンによる血小板凝集の低下,フォン ウィレブランド因子(vWF)の低下がある.vWFの減少による血小板粘着能の低下により出血する.止血には新鮮凍結血漿,非濃縮第VIII因子製剤(クリオ)が有効である.また DDAVP(1‐deamino‐8‐arginine vasopressin)も止血に有効である.近年,vWF:AgのSDS pageによる分析によりvon Willebrand病の亜型の分類がなされている(Erik Adolph von Willebrandはフィンランドの医師,1870‐1949).