ビリルビン

ビリルビン

【英】bilirubinbili

【独】Bilirubin

【仏】bilirubine

同義語:ヘマトイジン,類血素hematoidin

 

C33H36NO6.ビリルビンはヘモグロビン*,ミオグロビン*または呼吸酵素(シトクロム*,カタラーゼ*など)からくるヘムの最終産物である.生成されるビリルビンの約80%は成熟赤血球の崩壊に由来するが,それ以外に起因するものは早期またはシャントビリルビン*と呼ばれる.ヘモグロビンの崩壊は網内系細胞で行われ,ヘムからビリルビンへの変換はミクロソームヘム酸素添加酵素によってIXαビリベルジンになり,さらにビリベルジン還元酵素によってIXαビリルビンに変換する.生成された非抱合型(間接型)ビリルビン(脂溶性)は血清中でアルブミンと結合して肝の類洞(シヌソイド*)よりディッセ腔*Disse spacesに運ばれる.肝細胞内ではアルブミンから離れてYタンパク,Zタンパクと結合して運搬され,肝細胞内でミクロソーム分画中の滑面小胞体*に含まれるビリルビンUDPグルクロニルトランスフェラーゼによってグルクロン酸抱合を受け,抱合型(直接型)ビリルビン(水溶性)となり,毛細胆管内にジグルクロニドの型で分泌される.

→図