【英】123I,131I‐MIBG
同義語:ヨウ素123,ヨウ素131‐MIBG
メタヨードベンジルグアニジンmetaiodobenzylguanidine(MIBG)に123I あるいは131I を標識した放射性医薬品*で,主に副腎髄質や心臓交感神経の核医学イメージングに用いられる.MIBGはノルエピネフリンと構造が類似するグアネチジンのアナログで,投与されたMIBGは交感神経への特異的集積uptake‐1および一部uptake‐2で取り込まれ,交感神経末端のノルエピネフリン貯蔵顆粒に貯蔵され,開口分泌によって放出される.放出後はノルエピネフリンとは違ってノルエピネフリン受容体には結合しない.副腎髄質では主としてクロマフィン貯蔵顆粒に集積する.123I‐MIBGは主に心筋の交感神経イメージング剤として用いられ,SPECT(シングルフォトンECT*)を用いて虚血性心疾患をはじめ,心筋症,糖尿病などにおける心筋交感神経障害の評価に用いられている.131I‐MIBGは主に褐色細胞腫,神経芽細胞腫,甲状腺髄様癌,カルチノイドなどの交感神経冠由来の腫瘍の検出に用いられ,ガンマカメラ*にて腫瘍が高集積像として描出される.特に異所性の褐色細胞腫*の局在診断に有用で,本剤によるシンチグラフィで初めて検出されることも少なくない.また131I‐MIBGの大量投与によってこれらの腫瘍の治療も試みられている.
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