アキシアルパターン皮弁

アキシアルパターンヒベン

【英】axial pattern flap 

=主軸血管型皮弁

主軸血管型皮弁

シュジクケッカンガタヒベン

【英】axial pattern flap

同義語:アキシアルパターン皮弁

皮弁*

皮弁

ヒベン

【英】skin flap

【独】Hautlappen

【仏】lambeau cutane´

同義語:有茎皮弁pedicle flap

皮弁とは遊離植皮に対応して用いられる植皮術で,茎状になった皮膚あるいは皮下組織で,この茎を通してその先端の組織の栄養,血行をつかさどるものである.すなわち,その生着は茎内の血行に依存する.血行の形態により茎に特定の血管を含まない乱軸血管型皮弁*random pattern flapと栄養動静脈を含む主軸血管型皮弁*axial pattern flapに分けられる.

乱軸血管型皮弁

ランジクケッカンガタヒベン

【英】random pattern flap

同義語:ランダムパターン皮弁

皮弁*にはその血行の状態によってaxial pattern flap(主軸血管型皮弁*)とrandom pattern flapに分けられる.乱軸血管型皮弁とはその茎の中に独立した大きな動静脈系をもたずに,真皮乳頭層の血管ならびに皮下血管網に栄養される皮弁のことをいう.したがって主軸血管型皮弁よりは血行が弱く,茎を曲げたり圧迫したりすると先端が壊死に陥りやすい.通常乱軸血管型皮弁の生着は長さと幅の関係で決まり,その比率は身体の各部位でそれぞれ異なる.

主軸血管型皮弁

シュジクケッカンガタヒベン

【英】axial pattern flap

同義語:アキシアルパターン皮弁

皮弁*にはその血行の状態によってaxial pattern flaprandom pattern flap(乱軸血管型皮弁*)に分けられる.axial pattern flapとは,その茎の中に特定の独立した一つの動静脈を有し,これらによって皮弁が養われる.したがってこの皮弁は血管のみを茎として生着が可能で,しかも血行がよいので種々の方向に移動が可能である.また遊離皮弁free flapとしても用いることができる.通常,アキシアルパターン皮弁という場合は,皮下に特定の血管,すなわちdirect cutaneous vesselesを含んだ皮弁をさすが,ときに筋皮弁*もこの範畴に入れる場合もある.groin flapdeltopectoral flapがアキシアルパターン皮弁である.

皮弁は体表の各所の皮膚軟部組織欠損部に応用することができるが,利点として,血行がよいので植皮床の血行不良であっても生着可能である.また感染,外力に対する抵抗力が強く立体的再建が行え,前後下部組織との癒着が少なく拘縮も少ない.とくに主軸血管型皮弁の場合は遊離皮弁としても用いられる.欠点として,作図,挙上,移行,delayなど手技が比較的複雑で,ドッグイヤー*dog ear,厚みなどを生じ後日の修整を要する場合があることである.皮弁には皮弁作製部位を移植部位近隣に求める局所皮弁local flapと,皮弁を遠くに作製して移植する遠隔皮弁distant flapがある.局所皮弁の他の分類法としては,1 移動法による,2 皮弁が栄養される茎部の様態による,3 皮弁の血行形態による,4 皮弁に含まれる組織による,5 解剖学名や人名によるものなどがある.→遊離植皮術

にはその血行の状態によってaxial pattern flaprandom pattern flap(乱軸血管型皮弁*)に分けられる.axial pattern flapとは,その茎の中に特定の独立した一つの動静脈を有し,これらによって皮弁が養われる.したがってこの皮弁は血管のみを茎として生着が可能で,しかも血行がよいので種々の方向に移動が可能である.また遊離皮弁free flapとしても用いることができる.通常,アキシアルパターン皮弁という場合は,皮下に特定の血管,すなわちdirect cutaneous vesselesを含んだ皮弁をさすが,ときに筋皮弁*もこの範畴に入れる場合もある.groin flapdeltopectoral flapがアキシアルパターン皮弁である.

筋皮弁

キンヒベン

【英】muscle cutaneous flap

筋皮弁とは,皮膚全層,皮下脂肪と筋肉を含む皮弁*をいう.筋皮弁は血行の状態からいえば主軸血管型皮弁*に準ずるもので,血流は十分に受けることとなる.血行としては筋肉に含まれるsegmental vesselsの血流供給を受け,この筋肉内の血管から垂直に出て皮膚に向かう穿通枝が皮下血管網に達して皮弁を養っており,したがってこの穿通枝を温存しなければならない.皮弁がやや厚くなること,その皮弁に含まれる筋肉のもつ機能が失われるなどの欠点があるが,非常に血行が良いので,近年特殊な部位に限ってよく用いられる.また遊離筋皮弁としても移動が可能である.