アキレス腱炎
アキレスケンエン
【英】achillodynia
→アキレス腱周囲炎
アキレス腱周囲炎
アキレスケンシュウイエン
【ラ】peritendinitis Achillie
アキレス腱周囲組織(paratenon)に生ずる非感染性炎症で,スポーツなどで過度に足関節運動をすることにより発症する.症状はアキレス腱付着部を中心に腱の周囲に腫脹や圧痛を認める.足関節運動とくに走ったり階段の昇降時に強い痛みを発する.アキレス腱部に足関節運動時軋轢音をふれることもある.本症の治療は,局所の安静や固定包帯で予後良好である.同じような症状を呈するものとして,アキレス腱自体に炎症を生ずるアキレス腱炎achillodynia, achillobursitisという疾患もあるが,臨床的に両者を区別することは困難であり,両者が同じ意味に使用されているのが実状である.本症が長期にわたり存在したあとに,アキレス腱が断裂(アキレス腱断裂*)
アキレス腱断裂 アキレスケンダンレツ 【英】rupture of Achilles tendon 【独】Ruptur der Achillessehne 【仏】rupture de tendon d'Achille
アキレス腱Achilles tendon(tendo calcaneus)は下腿三頭筋(腓腹筋,ヒラメ筋)の末梢部を形成する部分で,踵骨後上部に付着する強力な腱である.元来スポーツマンに多く従来は男性によくみられたが,近年女性のスポーツ人口の増加で性差が少なくなっている.下腿三頭筋に強い張力が発生しているとき,急激に足関節の背屈を強制されたとき断裂しやすい.ジャンプするときなどである.多くは踵骨付着部より3~4cmの部分に断裂があるが,筋腱移行部にみられることもある.断裂すると歩行障害が発生するが,全く不可能というわけではない.足底筋や腱膜,足指屈筋などで底屈力は存在するからである.下腿三頭筋を把握すると正常では足関節の底屈がみられるが,断裂ではみられない(Squeeze test, Thompson test).〔治療〕手術的治療が主流であるが,ギプス固定による保存的治療を行う人もある. |
したという症例も報告されており,炎症が存在する場合には注意する必要がある.