アキレス腱
アキレスケン
【英】Achilles tendon
=踵骨腱
踵骨腱 ショウコツケン 【ラ】tendo calcaneus 同義語:アキレス腱Achilles tendon, Achillessehne, tendon d'Achille
下腿浅層の屈筋である下腿三頭筋(二頭筋である腓腹筋とヒラメ筋の2筋からなる)の腱板は上2筋のものが合して強大な共同腱(踵骨腱)となり踵骨隆起に付着する.踵の上ではやや細く前方にくぼむ半月状となる.ギリシャの伝説にトロイ戦争の勇士アキレスAchillesがこの部に傷をうけて倒れたとあり,これによりベルギー人Verheyenがアキレス腱と命名したという. |
→アキレス腱断裂
アキレス腱断裂
アキレスケンダンレツ
【英】rupture of Achilles tendon
【独】Ruptur der Achillessehne
【仏】rupture de tendon d'Achille
アキレス腱Achilles tendon(tendo calcaneus)は下腿三頭筋(腓腹筋,ヒラメ筋)の末梢部を形成する部分で,踵骨後上部に付着する強力な腱である.元来スポーツマンに多く従来は男性によくみられたが,近年女性のスポーツ人口の増加で性差が少なくなっている.下腿三頭筋に強い張力が発生しているとき,急激に足関節の背屈を強制されたとき断裂しやすい.ジャンプするときなどである.多くは踵骨付着部より3~4cmの部分に断裂があるが,筋腱移行部にみられることもある.断裂すると歩行障害が発生するが,全く不可能というわけではない.足底筋や腱膜,足指屈筋などで底屈力は存在するからである.下腿三頭筋を把握すると正常では足関節の底屈がみられるが,断裂ではみられない(Squeeze test, Thompson test).〔治療〕手術的治療が主流であるが,ギプス固定による保存的治療を行う人もある.