アガングリオノーシス
アガングリオノーシス
【英】aganglionosis
→ヒルシュスプルング病
ヒルシュスプルング病 ヒルシュスプルングビョウ 【英】Hirschsprung's disease 【独】Hirschsprung‐Krankheit 【仏】maladie de Hirschsprung 【ラ】morbus Hirschsprung 同義語:先天性巨大結腸congenital megacolon
生後間もなくからみられる頑固な便秘と腹部膨満を主徴とする.1886年にHirschsprungによって2剖検例の精細な報告がなされたのでこの名称が用いられるが,疾患の本態は近年に至るまで不明であった.この疾患ではS状結腸,横行結腸の拡張と肥厚をみるので先天性巨大結腸とも呼ばれる.しかし,近年に至ってこの疾患の本態は下部結腸および直腸の壁内神経叢に神経節細胞の先天的な欠落があり,このため同部が機能的な通過障害をきたし,口側結腸に二次的な拡張と肥厚を生じることが明らかにされ,また人工肛門造設によって便の排出を企てると,結腸の拡張は消失することが知られるとともに先天性巨大結腸という呼称は不適当となり,さらに神経節細胞の欠落範囲が全結腸に及ぶ症例(全症例の10%)では巨大結腸は生じないことから,本症の呼称としてヒルシュスプルング病あるいはアガングリオノーシスaganglionosisを用いるべきとされている.病変部(aganglionosis)の範囲によって,これが下部直腸に限局するultrashort segment a.,直腸およびS状結腸下部に限局するshort segment a.(classical Hirschsprung's disease),これ以上口側に及ぶlong segment a.,全結腸に及ぶentire colon a.などに分類される. Swenson手術, Duhamel手術, Soave手術などが行われる.重症腸炎の合併をみなければ予後は良好である(Harald Hirschsprungはデンマークの医師,1830‐1916). |