肩こり解消!肩の痛みやコリの症状の鍼灸治療
§ 肩こりを引き起こす病気肩こり改善!吐き気を伴う肩こりの鍼灸治療
「肩こり」とは、首から肩や背中にかけての筋肉が、硬くこわばる、重く感じる、押しても押さなくても痛いというような、肩首周りの不快な症状の総称をいいます。
一般的には、慢性的な肩こりの原因は諸説あって確定的なことはまだわかっていません。腰痛と同じように現在でも不明な部分の多い疾患となっています。
1. 筋肉の疲れ
頭の重さは5キロ位あります。首の位置や肩の位置の違いで、首や肩にかかる筋肉の負担が大きくかわってきます。
2. 精神的ストレス
体を緊張すると交感神経の働きが優位になり、首・肩周辺や背中の筋肉を無意識に収縮して肩が凝ってしまいます。
3. 姿勢の悪さ
デスクワーク、読書、パソコン作業等で、肩や腕を固定しつづけたり、またその状態で指先だけを動かすような作業は、肩首背中回りの筋肉にとても負担がかかります。
4. 目の疲れ・眼精疲労
何かに集中して瞬きしない状態⇒ドライアイ⇒涙が乾いた状態の時ピントが合わなくなって視力低下する⇒瞬きをすると視力が合う⇒この繰り返しで1分間における視力の変動が激しくなる⇒目が疲れる⇒肩や首がこる
5. 肩こりを起こしやすい体型
なで肩、猫背、首が細く筋力が弱い、肥満など。
6. 背骨や関節の異常
頸椎の椎間板にキズがある、頸椎の関節や靭帯に炎症がある、頸椎の変形で骨棘ができるなど。神経を刺激して肩こりが発生する。
7. 歯のかみ合わせによるもの
かみ合わせがわるいと、物をかむときに使う筋肉(噛筋や咀嚼筋)の左右どちらか一方に多くの負担がかかり、このことが首や肩の筋肉のコリに影響することがあるようです。
8. 身体に合わない靴や洋服を着続ける
寒さを感じると、寒さを逃がさないように毛細血管を収縮させて体温を逃がさないように身体全体が反応して、無意識に身体に力が入ってしまいます。肩もこってしまいます。
9. 夏場の冷房や冬場の寒さ
全身の筋肉や内臓や骨などを覆う膜を筋膜といいます。表面の筋肉から奥の方の筋肉まで、身体中筋膜が何層にも重なっています。このどこかが固く動きが悪くなると全身のいたるところに影響を及ぼします。
10. 筋膜の硬さ
全身の筋肉や内臓や骨などを覆う膜を筋膜といいます。表面の筋肉から奥の方の筋肉まで、身体中筋膜が何層にも重なっています。このどこかが固く動きが悪くなると全身のいたるところに影響を及ぼします。それが原因で肩こりになることもあります。
11. ストレートネック
頸椎は通常、顔の前の方向にたわんでいます。(前弯)たわんでいることによって、頭の重さを首の骨だけで支えて負担がかかり過ぎないようにするための構造となっています。このたわみがなくなり首の骨が一直線な状態が、ストレートネックです。これは、肩こりや首こりの方によくみられます。単純に首の筋肉だけの問題ともいえず、腰の状態や胸椎の弾力性の低下など全体的な調整でストレートネックを改善できることがあります。
「筋肉の疲労」とは、パソコン作業を長時間やった時によく見られるような不良姿勢によって首や肩周りの筋肉に負担がかかりやすくなって筋肉の使い過ぎで血行不良を起こしていきます。
肩や首の筋肉を使うと、筋肉の細胞の中でブドウ糖が消費されて、そのかわりに、老廃物である乳酸や、カリウムイオン、P物質、ブラジキニンというような疲れてくると痛くなる原因の「発痛物質」とよばれるものがでてきます。これが肩こりの痛みの原因の一つです。ですから、筋肉を使いすぎて疲労して発痛物質がたまってしまったところを揉んだり鍼をしてりして循環をよくすることで痛み物質が流されていって肩こりの辛さがとれるというわけです。
ほぐしてもほぐしても、すぐに戻ってしまうタイプの慢性の肩こりの方に多く見られるのがストレスや自律神経の乱れによる肩こりです。このように、ただの肩周りの血行不良だけでは説明がつかないようなことはよくおこります。
ジストニアとは?
腕を動かしたり首を回したりと、何か自分の意思で筋肉を収縮させようとすることを随意運動といいます。それに対して、呼吸や内臓の動き、寒さなどで身体が震える、瞼が痙攣するなどといったことは、自分が意識していなくても勝手に筋肉を収縮させ身体が動きます。これを不随意運動といいます。この不随意運動の一つで、筋肉を持続的に収縮するようなものをジストニアといいます。ジストニアを出現させるのは、大脳の深い部分にある大脳基底核という神経細胞の集中する部分です。ジストニアでは脳からもとももと出るはずのない異常な命令によって勝手に一部の筋肉が収縮してしまうようなことが起こります。
例をあげると、首を曲げた状態で何か長く作業をしている様な時、首を元に戻そうとすると首に痛みを感じることがあります。これは、脳が首を傾けていた状態を普通の状態と勘違いしてしまって、それを戻そうとした時脳から異常が生じたと脳から誤った命令が首の筋肉に伝えられ、もともとその動きでは収縮する必要のない筋肉に、脳から異常な命令が出ることによって、うまく首が動かす事が出来ず筋肉に痛みを出してしまっています。
ストレスや精神的な感情に影響を及ぼす大脳基底核とは
人の「心」をコントロールするのは、大脳辺縁系 と 大脳基底核といわれています。ストレスや緊張などの精神的な感情に対しても、大脳基底核に影響を及ぼして勝手に神経伝達がなされてしまうことがあるようです。精神的なプレッシャーを受けた時に無意識に筋肉を収縮する指令が出て、手が震えるといったこともその一例です。
このように、慢性的な肩こりの場合も、やはり何かしら脳から継続的に筋肉を収縮させるような信号がでていて、軽い不随意運動のようなことを起こしているのではないかと思います。無意識な状態も含めて「心の状態」や「自律神経のバランス」が身体に大きな影響を及ぼしているように思います。
また、他の病気から発生する肩こりというものもあり、注意が必要です。例えば、頸椎椎間板ヘルニア、頸椎骨棘、狭心症、胆石、気胸、女性特有の病気など。これらも最初は慢性的な肩こりと同じような症状を出すことがありますので、単なる肩こりといっても注意が必要です。とくに、常に同じ場所が痛む、痛みや痺れが一週間以上続く、首が痛くて回せない、一定の動作や姿勢で痛みが出る、痛くて眠れない、腕や手に痺れが出る、握力が弱くなるなど。このような状態がある場合は、まず整形外科を受診されることをお勧めします。これらの病気が潜んでいないことを確認した上で、効果的な鍼灸マッサージ治療を進めてまいります。
当院では、肩こりの治療に対して、鍼やお灸、マッサージ、ストレッチ、モビライゼーション等を用いて治療を行っております。問診と合わせて、肩や首の動きや痛みの出方や姿勢などを診させていただき、治療が必要な部分を特定していきます。治療後に同じような動きをして治療前と比べて動きや姿勢が整ったのか?また痛みの出方がどうなったのか?などを確認させていただきます。最後に気になっていた部分の原因の説明や、家に帰ってからご自宅で出来るストレッチなど、良い状態が長続きできるように必要な場合はアドバイスをさせていただくこともあります。
肩こりの治療ペース
一言に「肩こり」と言っても、原因は様々で、感じ方にも個人差が大きいため、すぐに治るものから治るのに時間がかかるものまで、いろいろなケースがあります。当院にいらっしゃる患者様では、「数日前に変な姿勢でテレビを見ていた」など、日常生活の中で特別な思い当たる出来事があって肩がこっている場合などは、比較的一度の治療でも大きな効果を感じて頂けることが多いようです。一方、ほぐしてもほぐしてもすぐに元に戻ってしまうといったような慢性的な肩こり(頑固な肩こり)の方も非常に多くいらっしゃいます。このような方の場合は、一回目の治療でも気になっているコリをだいぶ解消したと感じて頂ける場合がほとんどですが、一度ほぐしてもすぐにもとに戻ってしまう原因を探るためにも、根本治癒するまでの間、週1回位のペースでの治療をお勧めすることが多いです。だいたい1カ月位の治療で「気になってしょうがなかった肩こり」が、「まだ少し気になることがあるが、前ほどではなくなって全然楽になっている」という方がほとんどです。仕事や大変な状況でどうしても肩がこってしまうことが避けられないというケースの方でも、定期的に治療することで「だいぶ楽になった」と実感していただいております。