ウイキョウ (セリ科ウイキョウ属:多年草:草丈
〜2メートル :花期 〜8月)
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薬効 |
健胃 |
胃痛 |
せき・たん |
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分布生育場所 |
科名:セリ科/属名:ウイキョウ属
和名:茴香(ういきょう)/学名:Foeniculum vulgare
本州・長野県、鳥取県で栽培。夏涼しくて排水のいい砂質地で風通しがよく日当たりに良い場所が栽培に適しています。
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見分け方・特徴
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茎は叢生(そうせい)して上部で枝が分かれています。柔らかい円柱状で白色を帯びた淡緑色をしています。高さは1.5〜2メートルくらいになります。
葉は互生して3〜4回に羽状にこまかく分裂した複葉です。小葉は細長く糸状です。
根近くの葉には長い葉柄がありますが、茎につく葉は短くなり、葉柄が鞘状になって茎を抱いています。
6〜8月ころに枝先にやや大型の複散形花序をつけます。
多数の黄色の小花があり、花は花弁5枚で内側にややまき込んで塊状に見えます。
果実は分離果で熟すと2分果に分かれます。 |
採集と調整 |
果実は長さ8ミリ、幅2ミリの長円柱状です。完熟する一歩手前で、へこみのみが黄色になり、まだ緑の部分が残っているころに刈り取って天日で乾かして、たたいて果実を集め、2〜3日間日干しにして、よく乾燥させます。
これを生薬で茴香(ういきょう)と呼びます。
特異な芳香があり、やや甘味があります。 |
薬効・用い方 |
芳香性の健胃剤として食欲を促進させるとともに、胃腸疾患にも効き目があります。
駆風剤としては、ガスがたまって腹がはり苦痛であるときにガスを除く作用があります。
胃痛、冷えによる腹痛、腎臓の弱いとき、腰痛にも用い、また去淡剤としても用います。
粉末は1日量1.3〜3グラムとして数回に分けて服用します。
また、煎剤として用いる場合は1日量5〜10グラムを3回に分けて服用します。
健胃の目的で安中散(あんちゅうさん)などに配合されます。安中散は桂枝(けいし)、延胡索(えんごさく)、牡蛎(ぼれい)、茴香(ういきょう)、縮砂(しゅくしゃ)、甘草(かんぞう)、良姜(りょうきょう)からなり冷え性、神経質で胃痛や胸焼けのあるものに用います。とくに神経過敏に起因する胸焼けやこれに伴う胃痛、悪心(おしん)などの症状に繁用します。
料理
スパイスとして料理には、ウイキョウを粉末にして魚肉のソースなどの風味添えに用います。 |
その他 |
ウイキョウは、フェンネルと呼ばれ地中海沿岸の原産です。
古くから薬草として利用されてきました。ウイキョウの葉をいぶして妖怪変化を呼び出すための魔法使いが用いたと伝えられています。
栽培は、4月上旬に種子をまくか、株分けしますが、種子は2週間くらいで発芽します。日本で栽培されている品種は中国産に比較すると精油の含量が多いようです。
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