ギョイコウ/御衣黄       (バラ科サクラ属:落葉高木:樹高 〜10メートル:花期 〜5月)

薬効
鎮咳 解熱 打撲傷 二日酔い
 
分布生育場所

科名:バラ科/属名:サクラ属
和名:御衣黄/別名:御衣黄桜/学名:Prunus Lannesiana cv.Gioiko
オオシマザクラ系サトザクラの品種のひとつ。江戸時代に栽培されたという

バラ科サクラ属オオヤマザクラ(大山桜/Prunus sargentii)
バラ科サクラ属オオヤマザクラの変種野中ザクラ
バラ科サクラ属ヤマザクラ(山桜/Prunus jamasakura)
バラ科サクラ属ソメイヨシノ(染井吉野/Prunus×yedoensis cv.Yedoensis)
バラ科サクラ属越後七不思議数珠掛桜
バラ科サクラ属カンヒザクラ(寒緋桜/Prunus campanulata)
バラ科サクラ属マメザクラ(豆桜/Prunus incisa)

見分け方・特徴

バラ科サクラ属は、葉の展開する前に開花する、カンヒザクラ群、エドヒガン群
葉の展開する前かほぼ同時に開花する、マメザクラ群、チョウジザクラ群
葉の展開とほぼ同時に開花する、ヤマザクラ群
葉の展開したあとに開花する、ミヤマザクラ群 がある

平安時代から品種育成や交配・実生や野生種の選抜育成で栽培されてきたサクラを総称してサトザクラと呼ぶ

高さ5〜10メートの落葉中高木
樹皮は暗紫褐色、横に皮目がつき、枝は褐色
葉は互生、楕円形〜倒卵状楕円形、長さ5〜10センチ、幅2〜6センチ、先端は尾状に伸び、葉縁には粗い鋸歯に重鋸歯が混じる
花は4下旬〜5月頃、前年枝の葉腋に、葉の展開と同時に開花する
花は 直径約4.5センチ、緑色と黄色が混ざり花弁の中心に紅色の筋が入る
採集と調整
夏季に樹皮を剥ぎ取り、天日で乾燥したものを生薬名で桜皮(おうひ)と呼ぶ

葉は葉桜になった頃に採取して天日で乾燥させる
薬効・用い方
有効成分は、フラボノイド・サクラネチンと配糖体サクラニン、ゲンカニンと配糖体グルコゲンカニンなど

鎮咳には、桜皮(おうひ)1日量15〜20グラム、水0.4〜0.6リットルを半量まで煎じて3回に分けて服用する
解熱には、桜皮(おうひ)1日量15〜20グラム、水0.6リットルを半量まで煎じて3回に分けて服用する
二日酔いには、桜皮(おうひ)1日量5グラム、水0.4〜0.6リットルを煎じて服用する。これを飲酒の前に飲むと二日酔いの防止になるという
魚肉の食中毒には、桜皮(おうひ)1日量5〜7グラム、水0.4リットルを煎じて服用する

打撲傷には、桜皮(おうひ)1日量15〜20グラム、水0.4〜0.6リットルを煎じて、煎じ液を患部に塗布する

桜の葉を乾燥したものは、枕(まくら)のしんとして使用すると安眠効果があるという
その他
名の由来は、サクラの古名は「佐久良」、「佐区羅」と書いた
「桜(さくら)」の漢字が出てくるのは「万葉集」からで、「桜桃」を、さくらの漢字に当てた
「古事記」では、木花開耶姫(このはなさくやひめ)の木花(このはな)とは、サクラをさしたもので、これから「開耶(さくや)」が転訛(てんか)して「サクラ」の名になったという、サクラ語源説がある

ギョイコウ(御衣黄/御衣黄桜)は、花の色から高貴な色として知られる黄色から御衣の名がついたという

また、ギョイコウ(御衣黄/御衣黄桜)は、シーボルトが日本から本国に持ち帰った植物標本にも含まれている