ジュズダマ            (イネ科ジュズダマ属:多年草:草丈 〜200センチ:花期 〜9月)

薬効
リウマチ  神経痛 肩こり
 
分布生育場所

科名:イネ科/属名:ジュズダマ属
和名:数珠球/生薬名:川穀(せんこく)/川穀根(せんこくこん)/学名:Coix lacryma-jobi
熱帯の東南アジアの原産地
日本の比較的暖地の小川や湿地などに野生化
日本には古代に熱帯アジアから日本列島に移住した民族により持ち込まれたという
イネ科ジュズダマ属ハトムギ

見分け方・特徴

全体は、トウモロコシを小型にしたような生態で高さ150〜200センチ
花は、7〜9月頃につき、雌花は、壺形の包葉(包鞘)の中に雌花があり、雌花の柱頭の先端を外に出して受粉する
雄花は、壺形の包葉(包鞘)の中から黄色の花粉を付けた雄花群(雄花序)を垂れ下げる
果実の表面は、ほうろう質で硬い

良く似た生態の、イネ科ジュズダマ属ハトムギとの違いは、ハトムギの花序は垂れ下がり、ジュズダマは上向きに付く
果実が、ハトムギは柔らかく指で押しつぶすことができるが、ジュズダマの表面は、ほうろう質で硬いことから区別する
採集と調整
9〜10月頃に種子を採取して日干しにして乾燥させたものを、川穀(せんこく)と呼ぶ
また、秋に根を掘り上げて、良く水洗いして日干しにして乾燥したものを、川穀根(せんこくこん)と呼ぶ
薬効・用い方
有効成分は、デンプン、たんぱく質、脂肪油など

リウマチ、神経痛、肩こりなどには、天日乾燥した根を、1回分2〜5グラム、水0.3リットルで半量まで煎じて服用

種子は、皮付きのまま砕いてハトムギの代用にする
その他
名の由来は、「本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)1803年/小野蘭山(おのらんざん)著」には、享保年間(1716〜1736)に渡来したという記述がある
それ以前の、「本草和名(ほんぞうわみょう/918)」には、ハトムギ・薏苡子(よくいにし)に対して、和名都之太末(つのたま)の名をあてていた
江戸時代の「成形図説(せいけいずせつ)」に、ハトムギ・薏苡子(よくいにし)と区別するために、数珠球(じゅずだま)に変わったということから、長い間、ジュズダマとハトムギが混同されていたことを知ることができる

古代日本では、ジュズダマを食料として食べていたといい、その後、イネが渡来してからは、イネが主食になり、ジュズダマが栽培されなくなり野生化したという説が知られる

参考には、イネ科ジュズダマ属ハトムギとの違いは、種子の断面に、ヨーチンを付けると、ハトムギは暗赤褐色に、ジュズダマは青紫色に変化する
ハトムギは、噛むと歯に粘着する餅性で、ジュズダマは、噛むと米(コメ)のウルチ性で歯につかない