イワタバコ (イワタバコ科イワタバコ属:多年草:草丈 〜30センチ:花期
〜8月)
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薬効 |
健胃 |
山菜 |
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分布生育場所 |
科名:イワタバコ科/属名:イワタバコ属
和名:岩煙草/学名:Conandron ramondioides
本州の東北地方南部〜四国、九州の山地の湿った岩場、渓谷など苔むした場所
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見分け方・特徴
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湿った岩場に群生して生える多年草、大型の根生葉が2〜3枚出る
葉は、長さ10〜30センチ、幅5〜15センチの楕円状卵形、質は柔らかく表面には、ちりめん状のしわがあり、葉縁には粗い鋸歯がある
葉は、冬になると丸まり地上部は小さな塊(からまり)状になり、春になると再び葉を伸ばす
花は、6〜8月頃に、花柄を10〜30センチ伸ばして紅紫色の美しい花を10〜20個つける
花冠は約1.5センチ、先が5裂、中央の雌しべ(花柱)がり雄しべ5個は黄褐色
朔果は広披針形、種子は微細で多数
中部地方〜近畿地方には、花茎、花序、がくに、短い毛があるものを、ケイワタバコと呼ぶ |
採集と調整 |
初夏の頃に葉を採取するが、保護のために数枚の採取にして、株のうち1枚の葉を必ず残す程度にする
葉は天日で乾燥させたものを、生薬名で苦苣苔(くきょたい)と呼ぶ |
薬効・用い方 |
日干し乾燥したイワタバコの葉は、食べすぎ、飲みすぎ、胃もたれ、食欲不振、消化促進などに、1日量5〜10グラム、水0.3リットルを半量まで煮つめて食間に3回に分けて服用する
生の葉は、少し苦味があり、この苦味が独特の風味として好まれる
薄く衣を付けてそのまま天ぷらに、軽く塩茹でしてさらして、味噌和え、胡麻和え、おひたし、酢味噌など |
その他 |
名の由来は、ナス科のタバコの葉に見立てて、イワタバコ(岩煙草)の名になった
ナス科のタバコの栽培は、関が原の合戦から5年後の慶長10年(1605)にポルトガル人やスペイン人によりタバコやタバコ苗が渡来し、1607年に薩摩国(鹿児島県国分市)で栽培がはじまった
イワタバコは、山菜として古くから親しまれていて、地方の方言には、山ジシャ、岩ジシャ、イワタカナ、イワナ、滝ジシャなどの方言が多数あり、イワタバコのタバコ渡来の以前は方言で呼ばれていた
「万葉集」の柿本人麿の詠には、「山萵苣(やまじしゃ)の 白露重み うらぶるる 心も深くあが恋止まらず」という詠があり、意味は、「山ジジャが露の重みで うなだれているように 心が沈む」
といい、古くは、山ジシャに、エゴノキをあてていて、山ジシャから、別の名イワタバコと呼ばれるようになったという説を支持する
また、生薬名の苦苣苔(くきょたい)は、「草木図説(そうもくずせつ/1856)」飯沼慾斎(いいぬまよくさい)著には、「略煙草(ほぼたばこ)葉の貌(かたち)あるを似てイワタバコの名あり」としている
これに、苦苣苔(くきょたい)の漢字をあてている |