ミヤマガマズミ       (スイカズラ科ガマズミ属:落葉低木:樹高 〜5メートル:花期 〜6月)

薬効
食用 健康酒 利尿
分布生育場所

科名:スイカズラ科/属名:ガマズミ属
和名:-/学名:Viburnum wrightii
北海道、本州、四国、九州の山地の樹林内や林縁
サハリン南部、朝鮮半島、中国に分布

里山などに多く自生するガマズミ
スイカズラ科ガマズミ属ムシカリ
スイカズラ科ガマズミ属ケナシヤブデマリ(毛無藪手毬)

見分け方・特徴

比較的深山に多く自生する高さ3〜5メートルになる落葉低木
樹皮は灰褐色、よく分枝して茂り新枝は紫褐色
葉は対生、倒卵形〜広倒卵形、長さ6〜14センチ、幅4〜9センチ、先端は急に細くなり尖り、葉の表は無毛か長い毛が散生、裏面には葉脈に沿って長い毛がある
花は、5〜6月、枝の先端に直径6〜10センチの散房花序を出し白い小花を多数つける
花冠は5〜7ミリ、5中裂して開く、雄しべ5本は花冠から飛び出る
良く似た、ガマズミとは葉が急に尖ることと葉柄に長い毛がまばらに生えることで区別する
果実は核果、卵形で直径約8ミリ、9〜10月に赤く熟す
採集と調整
秋に、赤く熟した果実を採取
薬効・用い方
有効成分:近縁種のセイヨウカンボクに、未熟果にクロロゲン酸、ベータ・シトステロール、ウルソール酸

疲労回復や利尿に、薬用酒にします。

紅く熟した果実を、200〜300グラム、水洗いしてよく水気を切り、ホワイトリカー1.8リットル、グラニュー糖200グラム程度で、冷暗所で2〜3ヶ月して、濾して材料を引き上げます。
滋養強壮、利尿に、夕食後20〜40ccを飲みます。
その他
名前の由来は、昔はガマズミの幹や枝を鍬(くわ)の柄に使っていたことから、カマがつき、赤い果実を染料の原料として使っていたことから、ゾメがつき、カマゾメが転訛(てんか)して、ガマズミになったといわれている
また、ズミは、果実に酸味があることから、酢味(すみ)から転嫁して、ガマズミの名になったという
ミヤマは、深山(みやま)から

名の由来に、別説には、漢名「莢迷(きょうめい)」の音読みから、「カメ」に転訛(てんか)して、「ガマ」になり、果実の酸味の、「スミ」と結びついて、ガマズミの名になったという説も説得力があると思う

和訓栞(わくんのしおり/年代不詳1775以前)には、古名ヘミ、ヘキミと呼び今は、ガマズミと呼ぶという記述がある