クローブ(チョウジノキ)
(フトモモ科フトモモ属:常緑高木:樹高 〜15メートル:花期 〜月)
|
薬効
|
芳香性健胃薬 |
麻酔原料 |
防腐剤 |
|
|
|
分布生育場所 |
科名:フトモモ科/属名:フトモモ属
和名:チョウジノキ/生薬名:丁字/学名:Eugenia caryophyllata
インドネシア・モロッカ諸島、フィリピン南部の原産、タンザニア、マダカスカルでは大規模栽培、インド西部、ブラジルでも栽培
|
見分け方・特徴
|
高さ15メートルになる常緑高木、幹はまた状〜3また状に枝分かれする。
葉は楕円形で革質(かくしつ)、若葉は紅紫色、生育するにしたがい光沢のある濃緑色。
花は、年2回枝頂につき、長さ約1.5センチ、4個のがく片がある、開花前の蕾を摘み取り、花が開いてから天日干しする。
|
採集と調整
|
年2回、開花前の蕾を摘み取り、開花後、天日で乾燥したものが生薬名で、丁子(ちょうじ)、丁香(ちょうこう)、クローブと呼ぶ
|
薬効・用い方
|
主成分:揮発油オイゲノール85%、メチルオイゲノール、メチルサリシトレイト、ピネン、ワニリン他、タンニン、脂肪油を含み、蒸留して丁子油(ちょうじ)をとる
アセチル・オイゲノール他の揮発油は強い痙攣作用を持ち、麻酔作用、防腐作用があり、歯の局部麻酔薬、いろいろな防腐剤に利用される
東南アジアでは、数千年もの間病気治療に用いられていて、マラリア、コレラ、結核、疥癬状の寄生虫の病気治療から風邪による消化不良、腹痛、咳、むくみなどの開放され、痙攣の予防薬として利用された。
ヨーロッパでは催淫薬や出産の分娩促進薬として用いられ、子宮筋の伸縮作用作用がある。
漢方では、しゃっくり止めに、生姜4、柿蔕(してい/カキのへた)5、丁字(ちょうじ)1.5の比率の柿蔕湯(していとう)がある。
中国では、しゃっくり、嘔吐、腹痛に、丁子1日量1〜3個をお茶として煎用する。
紅茶に2〜3個入れたり、ウイスキーのお湯割りに1〜2個入れて香りつけなどや、料理の薬味などに利用する
|
その他 |
名の由来は、クローブは、フランス語で、釘(くぎ)をクルーと呼ぶことから、仏名をクルー・ド・ジローフル。英名では、クロウジローフルと呼ばれ、略されてクローブの名になった。
丁字(ちょうじ)は、花の蕾(つぼみ)から、釘を釘子(ていんつ)と呼ばれ、これから、丁字(ていじ)となり、和名では、丁字を音読みからチョウジの名になった
正倉院の礼服の御冠の残りの布に、真珠と丁字が飾られていることから、装飾をかねた防虫剤として利用されていたのかもしれない。
また、源氏物語にも丁字染めの記述が出てくる。 |