サザンカ         (ツバキ科ツバキ属:常緑中低木:樹高 〜3メートル:花期 〜12月)

薬効
軟膏の原料
分布生育場所

科名:ツバキ科/属名:ツバキ属
和名:山茶花(さざんか)/学名:Camellia sasanqua Camellia
日本特産。山口県〜四国西南部、九州中南部、沖縄西表島、沖縄などの暖地に自生
一般には、庭木などに植栽される

ツバキ科/THEACEAEツバキ属/Camellia
日本には、ヤブツバキユキツバキ、サザンカ(日本固有種)の3種が自生する
中国西南部、ベトナム、インド周辺原産のチャノキ

見分け方・特徴

サザンカは、常緑小低木で高さ2〜5メートルの日本特産種
樹皮は灰褐色、若枝は枝分かれが多く褐色、枝には細毛がある
葉は、ツバキに似て厚く表面には光沢があり、互生、葉柄には毛があり、葉縁には鋸歯がある
葉の表面は濃緑色、裏面は淡緑色で主脈は明瞭
花は、10〜12月に枝先に5〜8センチの白色の倒卵形の5弁花を平らにつける
雄しべ多数、子房には細毛がある
果実は朔果、翌年9〜10月に熟す、暗褐色の種子が数個入る

ツバキとの区別は、葉柄が有毛、花弁がバラバラに落ちる、花弁が開くと顎苞片が全部落ちることで区別する

採集と調整
秋に種子を採取して、天日乾燥して砕き、蒸熱、圧搾して濾過、精製して、サザンカ油にする

薬効・用い方
有効成分は、ツバキ油と同様の脂肪油で、オイレン酸、リノール酸で黄色を帯びた緑色でのちに橙黄色になる

ツバキ油として、軟膏の原料に用いる

その他
名の由来は、「和漢三才図会(わかんさんさいずえ・1713)」には、「山茶花(サザンカ)は、南方に産す。高き者丈許り、枝幹交加し、葉頗る茶に似て厚く硬く、稜有り、中ひろく頭尖り、面緑にして、背淡し。茶に代へて飲と作すべし。故に茶の名を得た」という記述があり、このことから、山に生える茶から、山茶花(さざんか)の名になった

古くには、鹿児島、宮崎地方では、サザンカの新芽を製茶して飲用していて、香りが良いので香袋にも用いているという