カラタチ              (ミカン科カラタチ属:落葉低木:樹高 〜3メートル:花期 〜4月)

薬効
健胃 利尿 去痰 浴湯料 ひび・あかぎれ 抜け毛
分布生育場所

科名:ミカン科/属名:カラタチ属
和名:唐橘/枳殻/生薬名:枳実(きじつ)/枳殻(きこく)/学名:Poncirus trifoliata
中国原産、生垣などに植栽、耐寒性が強くやせ地などでも育つ

見分け方・特徴

カラタチは、中国原産の落葉低木でミカン科の中では、もっとも耐寒性が強く新潟でも果実ができる
幹の高さ、2〜3メートル、枝は青く稜角があり、5センチにもなる刺が互生する
葉は、3出葉で、柄には翼があり楕円形鈍鋸歯がある
花は、春に葉より先に、葉脈から柄を出して白色の5弁花をつける
果実は、緑色の球形液果、直径約3センチ、秋に黄色く熟して芳香があり苦味がある
採集と調整
秋にまだ黄色く熟していない果実を採集して、輪切りにして陰干しにして乾燥する、これを生薬(しょうやく)で、枳実(きじつ)という
黄色く熟した果実を輪切りにして乾燥したものを、生薬で枳殻(きこく)といい区別している

乾燥が不十分な果実を用いると、嘔吐する場合がある
薬効・用い方
健胃、利尿、去痰などには、枳実(きじつ)1日量7〜10グラム、水0.5リットルで半量まで煎じて3回に分けて服用する

慢性関節リュウマチ、椎間板ヘルニア、五十肩、痛風、腰痛、打撲、発汗、冷え性などには、乾燥した果実、葉茎か生の果実、葉茎を刻み、布の袋で煮出してから、そのまま風呂に入れて浴湯料にする。
カラタチの、さわやかな芳香が、体を温め血液の循環を促進する効果がある

ひび、あかぎれ、抜け毛などの化粧水として、枳実(きじつ)や枳殻(きこく)を細かく刻み、エチルアルコールに浸けて、1週間くらい、数回振って攪拌してから、ろ過したものに、リスリンを加えて、使用するときに水で薄めて化粧水として使う

しもやけ(凍痩)には、熱いお湯に患部を数分間浸してから、実熟果、生葉の汁を塗布して、良くマッサージする
その他
名の由来は、中国から渡来した、タチバナから、唐(から)のタチバナ、カラタチバナ(唐橘)が転訛して、カラタチの名になったという