カワミドリ           (シソ科カワミドリ属:多年草:草丈 〜100センチ:花期 〜9月)

薬効
解熱 鎮痛 腹痛 吐き気
分布生育場所

科名:シソ科/属名:カワミドリ属
和名:川緑/生薬名:藿香(かっこう)/学名:Agastache rugosa
北海道、本州、四国、九州の山地、沢沿いなどの草原に自生

見分け方・特徴

茎は、四角形で直立して高さが50〜100センチになる大型の多年草、全草に強い芳香がある
茎は上部で枝分かれする、葉には、柄があり対生、形は卵形、葉縁には鈍鋸歯があり先端は尖る
花は、夏から秋にかけて、茎頂に花穂を伸ばして円柱状に淡紫色の小花を密につける
小花の形は、唇形、長い筒形で下唇(かしん)の花びらが長く、おしべが花から出る
採集と調整
花の咲く頃に全草を刈り取って、陰干しにして乾燥したものを生薬で藿香(かっこう)と呼ぶ
日本の民間薬では、排草香(はいそうこう)という
薬効・用い方
有効成分:全草の芳香は精油。メチルキャビコール、アニスアルデヒドなどを含む

民間で、風邪の解熱、頭痛、消化不良、食あたりなどには、藿香(かっこう)を1日量10〜20グラムを水0.5リットルで半量まで煎じて3回に分けて服用する

吐き気、腹痛、暑気あたりなどには、藿香(かっこう)を5〜10グラム水0.2リットルで煎じて服用する
その他
名の由来は不明だという、沢などに群生する様子が、緑色に見えるから、川緑(かわみどり)?だと面白いとは思う

「本草綱目啓蒙(ほんぞうこうもくけいもう)1803年/小野蘭山(おのらんざん)著」には、排草香(はいそうこう)を、カワミドリとして「山中に自生あり、人家にも多く栽して、和の藿香(かっこう)と呼ぶ」という記述があり、カワミドリ(排草香(はいそうこう))と漢名藿香(かっこう)とは違うものとしている

民間では、古くから風邪や頭痛に用いられていた薬草で、藿香(かっこう)、排草香(はいそうこう)、藿菜(かっさい)などの名があるという

カワミドリは、中国、台湾、シベリアなどに分布していて、中国では薬用に栽培している