ゴボウ
(キク科ゴボウ属:多年草:草丈 〜150センチ:花期 〜8月)
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薬効
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かぜ
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せき・たん
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小便不利
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湿疹(くさ)
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ただれ
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分布生育場所 |
科名:キク科/属名:ゴボウ属
和名:牛蒡/生薬名:牛蒡根(ごぼうこん),悪実(あくじつ),牛蒡子(ごぼうし)/学名:Arctium lappa L.
日本各地で野菜として栽培。
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見分け方・特徴
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ゴボウは、野菜としては改良が進んでいる部類には入りますが、関西系の太い堀川牛蒡(ごぼう)、宇陀(うだ)牛蒡、大和(やまと)牛蒡と、関東系の長い滝野川(たきのがわ)牛蒡、大浦(おおうら)牛蒡とに分けることができ、これらが現在も多く栽培されています。
栽培化が進み、現在は一年中食べることができる野菜のひとつになりました。
播種(はしゅ)してから2〜3年目の春に、高さが1〜1.5メートルになり梢(こずえ)に花が咲きます。
花は、淡紫色で、総苞(そうほう)には細刺があってアザミの花に似ています。
7月ころには果実ができます。
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採集と調整
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牛蒡根(ごぼうこん)は、2年以上の株を掘り取り、水洗いして天日でよく乾燥させます。
生薬の悪実(あくじつ)(牛蒡子・ごぼうし)は、夏から秋に成熟した果実を天日でよく乾燥して、種子を取り出して、さらにその種子を乾燥したものです。
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薬効・用い方
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牛蒡根(ごぼうこん)は、食欲増進、胆汁分泌促進、発汗利尿(りにょう)に効き目があるとされていて、適量を煎じて服用します。
悪実(あくじつ)は、抗菌作用、血糖降下作用、血管拡張作用、弱い利尿、瀉下(しゃげ)作用などがあって、かぜの熱、せき、へんとう腺炎などに1日6〜10グラムを煎じるか、少し炒(い)って粉末にして3回に分けて服用します。
生の葉には胆汁分泌促進する成分が含まれていて、肝臓の病気に良いとされています。また、煎剤は湿疹、ただれに外用として用います。
にきびやおできには、セイヨウタンポポの乾燥根10グラムとゴボウの乾燥種子5グラムを0.5リットルで煎じて1日3回に分けて服用する
栽培:ゴボウは秋や春に年に2回も種子を撒いて栽培ができます。秋に種子を撒き、翌年6〜7月ころに市場に出る、新ゴボウは、細いものが多く、柔らかで、香気が多くて美味しく楽しめます。
また、この時期の若葉も美味しく、ヨーロッパなどでは、根を食用にしないで、ゴボウの若葉をサラダにして食べます。
また、春に種子を撒くと、翌年の夏に分岐して、その先にアザミに似た花が咲きます。
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その他 |
ゴボウの原産地は、ヨーロッパから中国にかけてとされています。
日本には古くに中国から薬用として伝来してきました。源順(みなもとのしたごう)が醍醐天皇(だいご)の第四皇女勤子(いそこ)内親王の命を奉じて選した和名類聚抄(わみょうるいしゅうしょう・931)に、すでにゴボウの名が見られます。
当時は、日本名で岐多岐須(きたきす)や宇末布々岐(うまふぶき)と発音していました。
この名に対して、中国名の悪実(あくじつ)を本名として、またの名を牛蒡(ごぼう)であると述べています。
その後日本では、従来の和名を捨てて、またの名の牛蒡(ごぼう)が使われています。
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