梔子柏皮湯(ししはくひとう)
適応症 肝炎 カタル性黄疸(おうだん) じんましん 皮膚掻痒(そうよう)症 口内炎 二日酔 打撲傷(うちみ) 捻挫(ねんざ) 結膜炎
目標 肝臓部の緩和な圧迫感、軽微な黄疸症状、あるいは皮膚の掻痒(そうよう)や炎症充血があるもの。 
構成 山梔子(さんしし):3 黄柏(おうはく):2 甘草(かんぞう):1
備考 本方には、利胆作用があって、肝臓疾患やじんましんなどに用います。黄疸、皮膚の掻痒(そうよう)や炎症充血などの症状は茵陳蒿湯(いんちんこうとう)を用いる場合と類似しますが、本方の症状は緩和で、大黄(だいおう)剤が適しない虚弱者や軽症の場合に適します。したがって茵陳蒿湯(いんちんこうとう)を用いたい場合で、便秘がなかったり、比較的体力のない人には本方を用います。

本方は、外用薬としても使用されます。打撲、捻挫には、本方に卵白を加え攪拌(かくはん)したうえに、徐々に水を加え適度の泥状としたものを、布地にのばして患部に包帯をします。また、結膜炎には本方を希釈(きしゃく)した水溶液で温罨法(オンアンポウ)すると炎症、充血に効果があります。

「注」:温罨法(オンアンポウ)とは、罨法には、冷罨法と温(熱)罨法の2種類があります。温罨法は布を温水や暖かい薬草や漢方薬の煎じた液につけて患部などを加温することで、冷罨法は布を冷水に浸けて水を切り、鼻血が出たときなどに前額に当てて冷やすことです。