主治・対象疾患
LI11)曲池(qu1chi2)(きょくち)・鬼臣(gui3chen2)(きしん)・鬼腿(gui3tui3)(きたい)・陽澤・目灸
【取穴】
肘外側、LU5)尺澤と上腕骨外側上顆を結ぶ線上の中点。
※肘を十分に屈曲したとき、肘窩横紋上外端の陥凹部にある。
【名の由来】
「曲=曲げる」「池=陥凹」。肘を曲げた時に、この位置に陥凹ができる事から。
【要穴】
『手陽明経合土穴(金経土穴/土生金/自経母穴)』
『標本:手陽明之本(肘骨)』
【交会】
・経筋:手陽明経筋の結する処(肘外)
【作用】
〔補〕調和気血・温経散寒
〔瀉〕気血宣通・解熱消炎・清熱陽明・舒筋活絡
【弁証主治】
◆大腸/胃/腎病「逆気而泄を治す/虚すれば其の母を補う」
胃腸障害(虚弱・萎縮性胃炎・下痢・便秘・血便・脱肛・口渇など)
アレルギー疾患(鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎など)
サルコペニア(加齢性の腰痛〔得気が得られた段階で抜く。置鍼は必要ない〕)・視力低下・歯痛など
◆手陽明経(筋)病
項頚部痛・肩背のひきつれ、五十肩・上肢痛、悪寒〔灸7壮〕、炎症・第2指痛など
【主症主治】
『馬丹陽天星十二穴/熱性疾患(頚部リンパ節腫・帯状疱疹・出血傾向)・嚥下困難・肘痛・上肢のマヒなど』
【弁証配穴】
『募合配穴(大腸):上巨虚・曲池+天枢』…大腸実証〔瀉法〕
『原合配穴(陽明経):合谷+曲池』…手陽明経(手陽明経筋)病
【主症配穴】
『十三鬼穴:水溝〔左禾髎~右禾髎の透刺?〕⇒少商〔3分刺入〕⇒隠白〔3分刺入〕⇒太淵(大陵)〔5分刺入〕⇒申脈〔火鍼3分〕⇒風府⇒頬車〔温鍼〕⇒承漿〔左頤孔~右頤孔の透刺?〕⇒労宮(間使)⇒上星⇒会陰⇒曲池〔火鍼〕⇒鬼封〔瀉血〕/精神疾患』〔水溝から順に、症状を見ながら一つ一つ穴を加えていく。後渓を加えると尚良し〕
『中風七穴:百会+風池(曲鬢)+肩井+大椎(風市)+足三里+間使(懸鐘)+曲池/半身不随』
+少衝…発熱
+陽陵泉…半身不随・四肢の痙攣
+水溝〔瀉〕…猫背〔曲池は補〕
+肩井…頚部リンパ節腫
+丘墟〔透照海〕…胆嚢炎
+血海…アレルギー性の蕁麻疹・皮膚の痒み
【症例/個人的見解】
・土穴には中央という意味も兼ねるため、陽経では原穴に準じた運用をされることが多い。 つまり原穴同様、子午の表裏である足少陰腎経の病にも適用可能。
・個人的には原穴同様、【臓腑複合連関】でつながる「胃/大腸/腎」の複合的疾患に適応と考える。
・去風退熱の要穴。また十三鬼穴の第十二穴。精神疾患に著効とあるが、発熱が前提であることを考慮すべし。
・背に灸する時は、過度の上逆を抑える為に同時に曲池にも灸をすること。
・検証:得気は肘全体に響く。浅層で腕橈骨筋に自律性攣縮あり。中層で『臂臑』と『陽渓』の両方向へ、深層では逆に響きが消える感じ。
編:はりきゅう治療院 伍行庵
埼玉県さいたま市中央区上落合2-5-35-1F
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