ST39.下巨虚(げこきょ)

取穴部位:足三里穴から解谿穴に向かい下6寸、外膝眼穴の下9寸、条口穴の下1

要穴:手の太陽小腸経の下合穴

筋肉:前脛骨筋

運動神経:深腓骨神経

知覚神経:外側腓腹皮神経

血管:前脛骨動脈

ST39.下巨虚(げこきょ) 

解剖学的データ

筋肉

前脛骨筋

脛骨外側面、骨間膜および下腿筋膜から起こり、内側楔状骨と第1中足骨の足底面で停止する筋肉。主に足関節の背屈や内反、足底の内側アーチを維持する働きがある。

運動神経

深腓骨神経筋枝

総腓骨神経から起こり、前脛骨動脈と伴行しながら下腿の前面を下行する神経。深腓骨神経からは、前脛骨筋・長母趾伸筋・長趾伸筋・第三腓腹筋を支配する筋枝、短趾伸筋・短母趾伸筋を支配する外側踵骨枝、母趾と第2趾の間の知覚を司る内側枝(足背趾神経)が分岐する。

知覚神経

外側腓腹皮神経

膝窩で総腓骨神経から分岐して下に走り、下腿に至ってから前・後の2つに分岐する神経。 前枝は下腿外側面の皮下を下に走り、 後枝は下腿中央の高さで皮下に出て付近の皮膚に分布する。

血管

前脛骨動脈

膝窩動脈から起こり、下腿前面で前脛骨筋の深部を下行する動脈。主に膝や下腿前面、足関節を栄養する。

 

主治・対象疾患

下腿外側痛

下腿外側の知覚障害

下腿の運動障害

片麻痺

消化不

腹部の脹り

腹痛

腹鳴

下痢

虫垂炎

脚気

小腸カタル

 

ST39)下巨虚(げこきょ)・下廉・巨虚下廉

【取穴】

下腿前面、ST35)犢鼻とST41)解渓を結ぶ線上、ST35)犢鼻の下方九寸。

前脛骨筋上、GB35)陽交とGB36)外丘と同じ高さにある。

・筋肉:前脛骨筋

・運動神経:深腓骨神経

・知覚神経:外側腓腹皮神経(総腓骨神経由来)

・血管:前脛骨動脈

【名の由来】

上巨虚に同じ。

【要穴】

『小腸下合穴』

【交会】

・経絡(2):衝脈之下輸(足陽明経-衝脈)

【作用】

〔通〕『衝脈(血海・脛街)之兪/通理衝脈・調理胃腸』

〔瀉〕『治熱病五十九兪/清瀉胃熱』

【弁証主治】

小腸病

心身症的な胃腸症状・顔が赤い・ひどい冷え・脈浮洪・13:0015:00あるいは01:0003:00の異常など

足陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症など

衝脈病「逆気して裏急す」

身体が縮んだように感じる〔補〕

身体が膨張したように感じる〔瀉〕

痴呆・自律神経失調、更年期障害・内眼眦痛・腹中のひきつれ、痙攣・喉のつまり、喘息・泌尿器、婦人科疾患・股関節痛・筋力低下・皮膚静脈炎など

【主症主治】

脚気八処之穴の七/脚気〔灸100壮〕・股関節痛・足腰の筋力低下・踵痛』

【弁証配穴】

『募合配穴(小腸):関元+下巨虚』小腸実熱証 〔瀉法〕

『八脈配穴(衝脈):下巨虚+上巨虚+大杼』衝脈病

【主症配穴】

+帯脈おりものの異常

+水泉足底痛

【私見】

・上巨虚と比べ、清熱瀉下の効果がある。

・脚気には、先ずビタミンB1の摂取と吸収率の改善を。