ST3.巨髎(こりょう)

取穴部位:鼻孔の外8分、瞳孔線上

筋肉:小頬骨筋上唇挙筋

運動神経:顔面神経

知覚神経:上顎神経

血管:眼窩下動脈顔面動脈の枝

 
 【取穴】

 

顔面部、瞳孔線上、鼻翼下縁と同じ高さ。

正視し、瞳孔の垂線と鼻翼下縁の水平線の交点にある。

【名の由来】

「巨=大きい」「髎=骨孔」。本穴が頬骨と上顎骨の接合部にある事から。

【交会】

・経絡(3):手足陽明経-陽蹻脈 「鍼灸大成」

【作用】

〔瀉〕明目散風・疏経鎮痛

【弁証主治】

陽明経病

躁鬱、不安障害・注意欠陥多動性障害、統合失調症・歯痛・頚部の腫脹など

陽蹻脈病「陰緩み陽急す」

てんかん・悪風発熱・半身不随・睡眠障害・下肢外側のこわばり、外反足・腰背部痛・部位がはっきりしない疼痛など

【主症主治】

眼疾患・鼻疾患・顔面神経マヒ・顔の痙攣・三叉神経痛

【主症配穴】

+天窓頬痛・唇の炎症

【症例/個人的見解】

・刺入角度を考慮すれば、三叉神経へのアプローチも可能。また翼突筋への関与も可能なので、「裏頄(りきゅう/伍行庵オリジナル)」同様、脳内分泌異常による疾患(精神疾患、パーキンソンなどの神経伝達障害)にも応用可能かと考える。

 

・陽が病むと寒を生ず。

・検証:得気は同側の「顴髎」の裏側の歯茎に響く感じ。